出来高は出来事

・相場に勝とうとしてはいけない。ついていくだけ

7月29日の週には、米英ユーロの金融政策が発表される。日米ユーロ(独)の雇用統計も発表される。加えて、景気動向を表すGDPや、個人消費、小売売上、鉱工業生産。インフレ指標の消費者物価、生産者物価、各デフレーターなどなど、世界主要市場のビッグデータが目白押しだ。

一方で、これらのデータを見てから夏休みという動きもあり、事実上、向こう1カ月間の大まかな運用方針を既に決めている人たちもいることだろう。

相場の基調は、主要国の超低金利政策はまだしばらくは続きそうだということだ。米国の未曾有の量的緩和が縮小、終了が取り沙汰されている一方で、日本の異次元緩和はまだ始まったばかりと、時間的なずれはあるものの、どちらも終了するには、しっかりとした雇用拡大の環境が見込まれることが条件のようだ。つまり、経済成長、好業績が見込まれる環境になるまでは、カネ余りが続く。

それで、私は米株高、日本株高を見ているが、それはそれだ。相場の面白いところは、買値の1円、1銭の反対側に売値があることだ。買い手の意欲と事情と、売り手の意欲と事情が、常に紙一重で向き合っている。そして、ほとんどの人は、自分が少なくとも今度こそは勝てると思って売り買いするが、勝ち負けは常に半数だ。相場に天才はいないのだ。

相場はついていくだけだ。谷越え、山越えを見極め、タイミングよくついていければ勝てるし、タイミングを外せば、そうはうまくはいかないものだ。私は、ファンダメンタルズでは株高を見ているが、タイミングを測るにはテクニカル指標を活用することになる。

・テクニカル指標

FX市場や、株式市場を分析し、売買の手掛かりとする手法には、大きく分けて、ファンダメンタルズ分析と、テクニカル分析とがある。この2つの分析手法は、どちらにも長所があり短所がある。あなたが、より完成した投資家を目指すならば、どちらも学んだ方が良いだろう。両者の違いをできるだけ簡潔に述べよう。

ファンダメンタルズ分析の長所は、ファンダメンタルズが激変することは稀なので、それなりに将来の予測が立てやすいことだ。短所は、ファンダメンタルズ分析は投資対象の分析なので、その分析結果と為替レートや株価とは、必ずしも一致しないことだ。つまり、良いものが買われるとは限らないのだ。

テクニカル分析の長所は、市場価格の分析なので、為替レートや株価の現時点での状況が正確に分かることだ。短所は、あくまで過去から現時点までの分析なので、現時点からの価格の変動により、将来の予測が激変してしまう恐れがあることだ。つまり、支持線が保たれている間は買いだが、抜けたら売りと、180度転換するのがテクニカル分析だ。

テクニカル指標には多くの種類があり、相当に複雑な計算式を含むものもあるが、元となるデータは2つしかない。価格と出来高だ。

価格に関しては、ティックチャートがすべてを表している。そこから1日など、ある時間帯を切り取り、その期間での始まり値(寄値)、高値、安値、終値を記録したものが4本値だ。そして、寄値より終値が高い上げた時間帯と、寄値より終値が安い下げた時間帯とを色分けしたものがローソク足だ。つまり、ローソク足チャートはすべての価格データを、時間帯で区切っているとはいえ、そのままの形で記録している。

テクニカル指標と呼ばれるものは、多くの場合、そこからデータを引き算する。例えば、最も一般的なテクニカル指標である移動平均線は、4本値のうち終値以外は無視する。5日線なら、ティックチャートに示される5日間の膨大な価格データのうち、たった5つの終値だけに絞り込む。25日線とのクロスを見るのなら、30のデータしか扱わない。そういった絞り込みで、ボラティリティに惑わされずにトレンドを見ようとする。

データ引き算のテクニカル指標は、例えば、多くの色分けで書かれた教科書を、それぞれの色の透明シートで読むようなものだ。一部だけを強調することで、要点が分かるが、他の部分は見えない。いくつかの色のシートと、元の教科書を比較することで、全体の理解が深まると言えなくもないが、1つや2つのテクニカル指標だけに頼ると、全く違うものを見せられかねない。

またトレンドラインなど、価格データに他のものをつけ加えるものは、その指標の持つアイデアに依存しているので、扱いには注意や慣れが必要だ。これらは拙著「テクニカル指標の成績表」に詳しい。

プロの資金運用者の目から見ると、もう1つのデータである出来高を扱ったテクニカル指標には、実用に耐えるものがほとんどない。とはいえ出来高とは、市場で実際に取引された売買の数値だ。1単位の売買と、100単位の売買とは重みが違うはずだ。特に、通常は数単位の売買しかなかったものが、突然、数十や数百単位の売買に膨れ上がったとすれば、何かが起きたのではないかと疑ってもいいかと思う。出来高はタイミングを知る手掛かりの一助となるので、私はエスチャートを考案した。今回は、エスチャートとはどういうものかをご紹介したい。よくご存じの方々は読み飛ばして頂いて結構だ。

ちなみに、史上11位の下げ幅となった5月23日に、東証1部の出来高が過去最高の76億5514万株を記録して以来、出来高は漸減している。イベントはあったが、市場に売買につながるような大きな出来事にはなっていない。私は今後、債券から株式への資金の大移動が起きると見ているので、株価の大幅上昇を予測しているが、テクニカル的には23日のザラ場でつけた高値15942.60(TOPIXでは1289.77)は、当面かなり重いとみなしていいかと思う。

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