「メコン川をみて~流域5カ国の中のカンボジア」

・一度カンボジアに行ってみたいと思っていたが、ようやく実現した。政治が安定するとどんな国でも経済が発展するのは間違いない。政治が国民を向いて、少しまともなインフラ整備を行うだけで浮上してくる。そこから大きく成長するかどうかは社会制度と起業家精神に依存する。アセアン(ASEAN)10カ国の場合は、すでに一定の枠組みができているので、さらなる発展が続くものと期待される。

・アセアン10カ国のうち、メコン川の流域に広がる5カ国(タイ、カンボジア、ベトナム、ミャンマー、ラオス)は、国を超えたインフラ整備によって、メコン経済圏を形成しようと互いに力を入れている。5カ国の人口は合わせて2.4億人と、かなり多い。2015年にアセアン経済共同体が実現すると、その交流は一段と活発化しよう。そこで、メコン川を一度見てみたいと思った。

・人口でいえば、ベトナム9100万人、タイ6500万人、ミャンマー6400万人、カンボジア1600万人、ラオス700万人という順である。1人当たりGDPは2012年で、中国(6100ドル)に対して、タイ(5700ドル)、ベトナム(1500ドル)、ラオス(1400ドル)、カンボジア(900ドル)、ミャンマー(800ドル)である。

・中国プラス1という言葉にみられるように、中国以外のアジアの国に発展の基盤、拠点をしっかり築こうとういう動きが一段と活発になっている。シンガポール、香港といった都市国家型ではなく、もっと人口が多い、内需として期待できる国に進出し、成長のドライバーにしようという動きである。

・中国にみられる反日感情は、アセアンにはない。タイでもカンボジアでも日本に対しては親しみを持っており、ジャパンテイストに対して憧れと信頼を抱いている。中国の人件費はこの10年で4倍以上になり、メコン5カ国からみても、かなり高くなっている。中国の労働人口を見ると、労働者の供給が十分できない“ルイスの転換点”に当っているのかもしれない。

・工場で働くワーカーの月額給料をみると、北京460ドル、上海450ドル、深圳330ドル、瀋陽310ドルに対して、バンコク(タイ)340ドルはやや高いが、ホーチミン(ベトナム)140ドル、ビエンチャン(ラオス)90ドル、プノンペン(カンボジア)70ドル、ヤンゴン(ミャンマー)40ドルである。教育は必要だが、働きぶりからみても魅力的に見える。

・メコン地域ではタイが中心国で、すでに発展を遂げている。自動車では一大生産国にのし上がっている。カンボジアなど周辺国は、賃金が安いことから地の利を活かした分業体制が一層推進されていこう。人口からみて、ミャンマーに注目するのは当然であり、日本企業は、今ミャンマーに向かっている。一方、カンボジアはタイとベトナムの間に位置するので、その地の利を生かして成長の機会を求めていくことになろう。

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