KISSアプローチ

・単純明快

7月18日、バーナンキ米連銀議長は上院銀行委員会で半期に一度の議会証言を行い、毎月850億ドルずつ行っている債券購入プログラムの年内縮小、2014年半ばまでの終了に言及しながらも、「既定路線」ではなく、経済が弱まれば先送りする可能性があることを再び強調した。

参照:Bernanke: Tapering plan not a “preset course”
http://money.cnn.com/2013/07/17/news/economy/bernanke-testimony/index.html?iid=HP_LN

参照:Bernanke gets what he wants: A big yawn
http://www.cnbc.com/id/100893908

6月18ー19日に行われたFOMC議事録によると、景気は緩やかなペースで拡大、労働市場は改善の兆しを示しているとして、「複数のメンバーが、資産買い入れの縮小が近く正当化される可能性がある」と判断した。もっとも、「多くのメンバーが、資産買い入れペースの減速が適切となる前に、労働市場の見通しの一段の改善が必要との認識を示した」としている。

7月10日、バーナンキ議長はマサチューセッツ州でのスピーチ後の質疑応答で、低インフレ、高失業率の現況下では、「少なくとも金融緩和政策の一部はしばらく継続する」とし、「米経済は依然として強力な景気刺激策を必要としている」とした。インフレ率については2%を判断の基準とした。これは、3週間経っても、労働市場の見通しの一段の改善が見られていないことを意味している。

7月18日の質疑応答では、このところ発表された失望を誘う経済統計を受け、9月に縮小を開始する根拠が弱まるかとの質問に対し、6月のFOMCが開かれたのはわずか1カ月前で、その後の経済指標は前月示した見通しと依然合致している可能性があるとした。また、買い入れ縮小時期の判断は今後入手する経済指標次第だとし、最終判断を下すのは時期尚早だと強調した。重要な検討材料となる雇用情勢については、雇用拡大の継続を裏付ける兆候をより広い視点から確認する考えを示した。

景気見通しについては、前日の下院金融委員会での証言と同様に、財政引き締めによる逆風が成長を圧迫しているとの認識を示し、こうした足かせが解消されれば景気は加速すると予想した。

議長が言っていることは単純明快でブレがない。米連銀が市場にカネを余らせているのは、景気浮揚を狙ってのことだ。その目的が達成されるまでは、手綱を緩めないと明言している。

・勝てば官軍

NHKの大河ドラマ「八重の桜」では、徳川幕府の命を受けて京都守護職となり、皇室を守っていた会津藩が、敗戦により逆賊とされる悲哀を描いている。勝てば官軍、負ければ賊軍で、力が正義を名乗れるのは、現在の国際社会でも何ら変わりがない。業績至上主義や学歴偏重、金持ち崇拝も、似たようなものだ。

とはいえ、国民の福利厚生の向上が正義なら、既得権に安住し、保護主義的な幕府が、グローバルな視野を持ち、自由貿易推進派の薩長土肥に後れを取るのは歴史上の必然だったのかもしれない。思えば、昔も今も、既得権や官僚制度と、規制緩和を唱える自由経済推進派との戦いが行われているわけだ。昨年の大河ドラマ「平清盛」も、その点は同じだ。

金融政策もまた「戦」のようなものだといえる。戦わずにいられれば、それに越したことはないのだろうが、戦わなければならない時がある。米連銀はサブプライム・ショック後に、間髪を入れずに戦いを始めた。そして、未曾有の金融危機との「戦」に、持てる力を最大限に、迅速に発揮してきた。

取ったリスクは、リターンに結び付けなければ、危機は拡大する。未曾有の金融危機との「戦」に負ければ、国家、国民が危機に陥る。大袈裟な表現ではない。ギリシャやスペインなどユーロ周辺国の政府は、危機以前の、金融政策の主導権争いに敗れ、国家、国民が危機に陥っている。これらの国々の政府は、目の前の経済危機と戦わないで、財政規律という「亡霊」と戦っている。財政規律の重要性を否定するわけではないが、職を求める25歳以下の半数以上が失業者となっている時に引き締めを行うのでは、「財政原理主義」に陥っていると言わざるをえない。財政とは国家の経済収支だ。財政原理主義ではしばしば家計の犠牲のもとに財政健全化を図るので、国家主義と言ってもいいだろう。

米連銀が「財政引き締めによる逆風が成長を圧迫している」と認識しているように、米国でも、日本でも、財政原理主義は根強い。それも当然で、主義主張そのものが必ずしも間違っているわけではないからだ。問題は、相場やその他の万事と同じで、バランスとタイミングなのだ。

金融政策のリスクは、通貨、信用の失墜だ。リスクが顕在化すると財政破綻、ハイパーインフレ、それに伴う深刻な景気後退、雇用喪失、国民の生活破綻が訪れる。リスクに見合うリターンを勝ちとれば、景気回復、雇用拡大、国民の福利厚生の向上となるのだ。勝てば、官軍となる。

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