経済失速と人民元高の秘密~中国統計からうかがわれる金融危機の深化~

国内経済停滞が深刻化しているのに、なぜ人民元高が続くのか、昨年からの疑問であったが、その理由は中国の地下送金であると思われる。中国のクレジット・クランチは相当深刻であると思われる。

何故クレジット・クランチが起きているのか

6月後半に入り突如として中国の短期金利が急騰し、資金調達難が一気に表面化した。中国人民銀行の改革、バブル抑制姿勢の表れと一般的に評価されているが、それは一面的解釈である。経済の減速の局面で意図的にバブル潰しに踏み切るとは考え難い。米国の量的金融緩和((QE)の縮小が視野に入り世界的リスク回避が強まったためとの観察もあるが、それも矛盾している。そうであればドル高=人民元安となるはずだが、人民元は独歩高、中国へはマネーが流入しているのである。短期金利の急騰は中央銀行の予見を上回る資金逼迫が発生していたから、と見るべきであろう。

図表1-2

急ブレーキ下の中国経済

中国の経済困難は今や包み隠しようが無くなっている。既に中国ではモノの動きが事実上止まりつつある。温家宝前首相が最も信頼できると注目していた鉄道貨物輸送量や発電電力量は前年比ゼロ成長近傍で推移している。昨年ゼロ成長に終わった鉄鋼生産が10%以上の増産をしているが、それは実需に基づくものではなく、固定費負担を吸収するための増産であろう。在庫増加も伝えられており、今後市況下落と減産を迫られよう。2013年末から2014年にかけて景気失速が認識されるようになろう。経済の急減速は当然のこととして資金逼迫をもたらす。収入が直ちに減少するのに支出は直ちには減らないからである。

根源的資金不足=外貨収入の急減

加えて中国における潤沢な投資資金の源泉となってきた外貨事情が大きく変化している。中国の外貨準備高の対GDP比率は、1990年代0%、2000年13%、2010年49%と急上昇し、野放図とも思える高投資の源泉となったが、2012年は40%へと急低下し2013年前半では37%程度であると推測される。国内通貨発行の源泉たる外貨準備高が頭打ちになっているからである。①高騰する賃金により中国の競争力は低下し、巨額の貿易黒字はピークアウトしてきた。②外国人による対中証券投資、直接投資もピークアウトしつつある。2012年前半までは主要国中唯一日本の対中直接投資が増加していたが、尖閣騒動以降それも減少に転じている。③対中証券投資の規制が緩和、世界で最悪の株価かつ、経済減速が心配されている中国への証券投資が増加するとは思われない。中国強気派フィデリティー投信のアンソニー・ボルトン氏は対中投資から撤退した。加えて④中国人による海外資金避難が起きる可能性がある。当局による懸命の為替管理にも拘わらず、本質的には、外貨準備高は減少傾向を辿る趨勢にあると言える。それは一段の信用収縮をもたらす可能性が高い。

図表3-4

図表5-6

図表7

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