調整完了、良い買い場~BRICs後の機関車は米国と日本の内需~

山積した後付けの売り口実

株や債券、円の乱高下を受けて、「アベノミクスは失敗」と決めつけるような批判が一部で広がっている。その最たるものは「第1の矢」である黒田日銀の異次元緩和に対する「錬金術」との批判であり、「マネーの力では結局、何も変わらない」とする断定的論調だろう。しかし、そうした見方こそがマネーの過大評価であると考える。

また、相場についても過度な悲観は無用であり、中長期では強気なスタンスを維持すべきだと考えている。そもそも5月23日以来の日本株の乱高下(特に急落場面)は、テクニカルな調整にすぎない。半年で8割も上昇した局面で利益確定の時期を探っていた国内外の投資家たちが、何かを口実に売却に走ったと見るのが妥当だ。特に買いの主力であったヘッジファンドなど海外の短期筋は、円ショート、日本株ロングのポジションを積み上げてきたと思われ、その両者の解消売りが、6月の四半期決算を前に積みあがったと考えられる。昨年同様、ポジション調整が完了しつつある6月後半以降、再度リスクテイクの絶好場面に移っていくだろう。

図表1-2

矛盾多き売り理由、QE縮小はむしろ好材料

ポジション調整とは言え、その口実として、2つのファンダメンタルズ要因が指摘されている。1つは中国経済に対する失望。もう1つは米連邦準備制度理事会(FRB)による量的金融緩和の出口が見えてきたという論評である。前者は、何年も前から語られてきた「nothing new」な話だろう。むろん、中長期では懸念材料ではあるが、そのようなリスクが顕現化するとすればなおのこと、世界的な金融緩和の潮流は長期化する可能性があると受け止めるのが合理的だ。

一方、後者の出口論はさらに「ためにする議論」と言える。5月下旬のバーナンキFRB議長の議会証言を「緩和縮小の合図」と見なす論調が日本には多かったが、筆者の知る海外の金融政策専門家たちの論評はむしろ「(出口に関するバーナンキ議長のメッセ―ジは)何も変わっていない」というものだった。つまり、雇用情勢をにらみつつ、判断するというニュートラルな姿勢である。仮に量的緩和が出口に向かうとしても、それ自体は全く悪材料ではない。量的緩和が終わるのは、失業率が低下し、実体経済が自律的回復基調に戻ったことを中央銀行が確信した時だからだ。したがって、その局面において、金融相場から業績相場への調整こそあれ、日米の株価が長期下落局面に入るとは考えられない。

逆に失業率が十分に低下せず、自律的回復が見えてこない局面では、量的緩和政策が継続することを意味する。唯一心配すべきことは、雇用情勢と景気が回復しないにも関わらず、量的金融緩和が維持できなくなる場合であるが、その可能性は全くと言ってよいほど無い。考えられる3大障害要因、①ドル信認の低下、②インフレの加速、③財政信認の急低下、は、どれもむしろ顕著に改善している。要するに、米金融政策の出口議論を材料とする売りは、後付けの口実にすぎない。現実に米国の株価は大きく反応していないし、長期金利も日米で上がったとはいえ、ここ半年の異常な低水準から戻っただけであり、金利急上昇と大騒ぎするほどの水準でない。

想起されるのは、1994年グリーンスパンFRB議長による金利の引き上げの開始が長期金利の急騰をもたらし、部分的に市場がパニックに陥ったことである。後から振り返れば5%台から8%弱まで急騰した長期金利は1年後には元の水準まで低下しており、景気拡大も持続していたことから、あの事態は市場と当局のコミュニケ―ション欠如による混乱であったと総括できる。今回はそうしたミスを繰り返さないための情報発信の準備がなされていると考えられる。

図表3

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