財務省が購入を検討するETF「ABF 汎アジア債券インデックス・ファンド(PAIF)」とは?

背景説明:ASEAN各国への日本の支援

 財務相・中央銀行総裁会議といえばG20やG8を思い浮かべる方が多いでしょうが、同じ財務相・中央銀行総裁会議であっても上記2つの会合と比べてあまり取り沙汰される事の無いASEAN+3財務相・中央銀行総裁会議の存在をご存知でしょうか?

 名前の通り、ASEAN(東南アジア諸国連合)に日本・中国・韓国の3カ国を含めた会合で原則としてアジア開発銀行(ADB)年次総会に合わせて開催されます。(アジア開発銀行と聞いてピンと来た方も多いと思いますが、黒田東彦氏が日銀総裁就任前に総裁を務めていたところです。)さて、この会合は毎年5月のGW期間中に開催される事もあって、日本ではあまり大きくは取り上げる事がないのですが、意外に歴史は古く1997年のアジア通貨危機を契機に東アジアの通貨・金融問題を議論するための閣僚レベルの会合として初開催され、現在ではアジアの金融安定化に非常に大きな役割を果たしています。

 その会合では主に域内の経済情勢に関する対話とチェンマイ・イニシアティブ(CMI)、アジア債券市場育成イニシアティブ(ABMI)等の地域金融協力が話し合われます。以下にCMIとABMIについて簡易的な説明をいたしますのでご確認下さい。

■CMI、ABMIについて

 ※財務省HPより抜粋:チェンマイ・イニシアティブ(原文)、アジア債券市場育成イニシアティブ(原文

 1.チェンマイ・イニシアティブ(CMI)
 短期流動性問題への対処、 既存の国際的枠組みの補完、を目的とする、東アジアにおける自助・支援メカニズム。外貨準備を使って短期的な外貨資金の融通を行う二国間の通貨スワップ取引のネットワーク。
 ※2010年3月より支援の迅速化・円滑化を図るため、2010年3月、CMIのマルチ化契約が締結。

 2.アジア債券市場育成イニシアティブ(ABMI)
アジアにおいて効率的で流動性の高い債券市場を育成することにより、アジアにおける貯蓄をアジアに対する投資へと活用する取り組み。

アジア債券市場育成イニシアティブ(ABMI)と「ABF 汎アジア債券インデックス・ファンド(PAIF)」

 CMIにせよABMIにせよ、端的に言うと日中韓3カ国とASEAN諸国が連携して将来のアジア地域の通貨・財政危機などへ備える取り組みなのです。
 そして、ABMIでは、実は個人投資家が重要な役割を果たしています。その説明をするために、もう一つだけ前提条件をお話させえてください。

ASEAN+3会合でABMIを実行するための直接的な方策として発表されたのが、アジア・ボンド・ファンド(ABF)です。ABFには現在ABF1とABF2と言う2つの枠組みがあります。図で簡易的に説明すると以下のようになります。(2005年5月20日日本銀行資料より一部抜粋:原文はこちら

ABF1 ABF2
運用対象 アジアの政府及び政府系機関が発行する米ドル建て債券 アジアの政府および政府系機関が発行する現地通貨建て債券
ベンチマークとするインデックス 非公開 公開( International Index
Company が提供するi-BoxxABF Indices)
ファンドマネージャー BIS 民間ファンドマネージャ
ー(ファンド毎に1社)
投資家 EMEAP 中銀のみ 第1 フェーズ:EMEAP 中銀のみ
第2 フェーズ:民間投資家にも開放

 色々書かれていますが、ABF1はEMEAP(東アジア・オセアニア中央銀行役員会議)加盟の各国中央銀行だけが投資ができるファンドですので皆様には直接は関係ありません。注目はABF2の「第2フェーズ:民間投資家にも開放」です。こちらは2005年のデータから抜粋しましたので今後の予定のような書き方がされていますが、実は投資家が既に購入できるのです。ようやく本題に入れました、それがアジア国債・公債ETF「ABF 汎アジア債券インデックス・ファンド(PAIF) 銘柄コード:1349」です。
【ご注意】
アジア国債・公債ETFは、投資対象である8つの国・地域の政府から投資成果の保証、および投資の推奨を受けているわけではありません。
詳しくはこちらより内容をご確認下さい。

気軽に購入出来るアジア国債・公債ETF「ABF 汎アジア債券インデックス・ファンド(PAIF)」

 これまでの説明を要約すると下記のようになります。
(1)ASEAN+3会合でCMI・ABMIを行う方針に決定
(2)ABMIを実施するため、ABF1、ABF2のファンドを創設
(3)個人投資家がアジア国債・公債ETF「ABF 汎アジア債券インデックス・ファンド(PAIF)」への投資を通じてABF2に参画することができる。

 この章では実際に投資家の皆さんが購入できるアジア国債・公債ETF の「ABF 汎アジア債券インデックス・ファンド(PAIF)」(長いので以下、PAIFと略称で呼びます)についてご説明します。

 PAIFは東証に2009年6月に上場されたETFで「Markit iBoxx ABF汎アジア指数」をベンチマークとして連動するように運用されている投資商品です。中国、香港、インドネシア、韓国、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイの政府および準政府機関が発行する現地通貨建て国債および公債を主な投資対象としており、平均信用格付けはA+/Aです。

 実際に各国の国債、公債などで運用するETFですのでコモディティ系ETFで生じるコンタンゴやバックワーデーションはありませんし配当(分配金)もあります。(ちなみに記事を書いたH25.6.4の平均利回りは3.06%です。)
※ただしベンチマークとの乖離は発生します。
 ※PAIFについての詳細はこちらをご覧ください。

「ABF 汎アジア債券インデックス・ファンド(PAIF)」のオイシイ?使い方

 これまで説明したようにPAIFはその投資商品としての価値に加えてアジア地域債券の成長を行う政治的な意味での価値も持ちます。

 では、投資家としてはこの投資商品をどのように捉えれば良いのでしょうか。商品特性としては「国内株式や先進国債券等との相関性の低さ」などリスクヘッジ資産として運用されるケースが一般的ですが、中国人民元建て債券が20%以上組み込まれていることもあり、これら組入債券の上昇による為替差益を狙った運用にも効果的かも知れません。
 今後、アジア市場は成長が見込まれ、投資や貿易(輸出)が活発に行われると思います。
そうした前提に立てば、PAIFはとてもメリットが多い投資商品なのです。投資効率の高い親友商品としてのメリットとともに、個人投資家の立場でアジア経済の発展の一翼を担うことができる。このETFには他のETFには無い、社会性と経済性を兼ね備えた魅力があるのです。

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