スピード調整

・日経平均、13年ぶりの下げ幅

先週23日、日経平均株価が急落した。2000年4月以来、13年1か月ぶり、史上11位の下げ幅となる前日比1143円28銭安の1万4483円98銭で引けた。東証1部に上場する株式の時価総額は1日で約30兆円減少し、412兆円となった。
同日の朝方は円安を受けて300円以上値上がりし、一時は1万6000円台に迫る水準まで上昇した。しかし午後に入って、長期金利の上昇や中国の経済指標の悪化、為替が円高方向に転じたことなどを受けて、当面の利益確定売りが膨らんだ。1日の高値と安値の間が1458円に達する乱高下となり、東証1部の98%を超える銘柄が値下がりした。株価が下がると自動的に売り注文を出す取り引きシステムが広く利用されていることで、売りが売りを呼ぶ構造になっていることも株価急落の背景となったようだ。

東証1部の売買高は76億5514万株と、日本銀行が新たな金融緩和を決めた翌日4月5日の64億4900万株を大幅に超え、これまでの最高となった。売買代金も5兆8376億円で過去最高を更新した。

2000年4月といえば、ITバブルが崩壊し下降トレンドの入口となった時だ。
参照:日経平均(1984年ー2013年)

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ITバブル崩壊以来の下げ幅となると、円安・株高トレンドを信じていて良いものなのだろうか? アベノミクスは信頼に足るものなのだろうか?

・相場は構造的に波動を描く

これだけ下げても、私は上昇トレンド内の単なる「スピード調整」だと思っている。下げ幅が大きくなったのは、3月下旬から4月初めにかけてマイナー調整を行ってから、ほぼ一本調子で上げてきたからだ。相場は構造的に波動を描く。どんなに強い上昇トレンドでも、上げ下げの振幅を伴うのだ。
参照:日経平均6カ月チャート

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・中長期トレンドは円安、株高か?

日本株高の主役は海外勢の買いだ。日本勢は総じて売り続けている。米国の個人投資家は、リーマン・ショック以降、株離れをし、数年間にわたって株売り、債券買いを行ってきた。この債券買いが、主要国国債のマイナス利回りにもつながった。ところが、昨年の10月以降、突如として株回帰が始まった。
日米欧英などの金融当局による未曾有の量的緩和により、大量の通貨が供給されている。これは言葉を換えれば、通貨を長期にわたって売り保有していることになり、通貨のトレンドは何かに対して安くなる。モノに対して安くなればインフレとなり、債券に対して安くなれば債券高(利回り低下)となり、株に対して安くなれば株高トレンドとなる。新興国通貨に対して安くなれば、主要国通貨安・新興国通貨高となる。また、主要国通貨間でも何が買われるかで相対的に、甲通貨高・乙通貨安が起きる。
米英の金融緩和が始まったのはサブプライム・ショック以降のドル円が120円台の頃。欧州の金融緩和が始まったのは約1年後のリーマン・ショック以降のユーロ円が160円台後半の頃だ。日本は長期にわたって緩和政策を続けているが、インパクトのある緩和は、安倍政権になってからだと言っていいかと思う。揃い踏みでチャラになると考えれば、まだまだ円安トレンドは続くと考えられる。
米国投資家の株回帰を、数年来の株離れの反動だとみれば、7か月ほどで終わるとは考え難い。ましてや、量的緩和は継続中で、ましてや、債券利回りは限界的に低い(超高値だ)。そして緩和の出口は、景気回復、企業業績アップが見込めるようになった時だ。あるいはインフレ懸念が起き始めた時だ。いずれも株価フレンドリーな環境だといえるだろう。つまり、まだまだ株高トレンドが続く可能性が高い。
こうしてみると、アベノミクスの最大の成果は黒田日銀で、それが円安に結び付いたと見ていいかと思う。米投資家の株回帰は安倍政権とは関係がない。とはいえ、野田前首相の政治生命を賭けた最優先課題が、ユーロ周辺国と同様、「不景気でも財政再建」であったことを鑑みると、安倍政権の言う「日本経済の再建」は、ユーロに懐疑的な米国の投資家に、日本株をより強くアピールしたものと思われる。
そして、プライスアクション理論にあるように、市場価格はファンダメンタルズを変えていく。長期にわたる円高、株安で日本は競争力を失ってきたが、多少の戻しでも、既に回復の兆しがみられるようになってきた。

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