週間相場展望(2013.5.27~)~日本は大荒れだが米国の景況感を見るべし~

 先週(5月20日~5月24日)の国内株式市場は、荒っぽい展開を余儀なくされた。その前の週末以降、NY市場は小幅の調整を入れながらダウは史上最高値を更新するなど、力強い動きを続けたことに加え、外国為替市場ではドル買い/円売りが進行したことで国内マーケットにおいても強気の見方が台頭、日経平均株価は高値追いの場面が見られた。しかしながら、週後半には中国の景気指標が悪化したことで市場のムードが急変、株価は乱高下の展開となるなど、強弱感が対立する展開となった。
 
 先週は、その前の週のNY株高を引き継ぐ格好で週初より買い先行でスタートした。その後も、米国の景況感の改善期待などを背景に世界的に株高期待が高まった他、外国為替市場ではドル買い/円売りが活発化したことで国内でも上値追いの展開が持続するかのように思われた。
 
 また、先週は日銀の金融政策決定会合が開催されたが、当面の金融政策に変更がないことが示されたことで、大規模かつ大胆な「異次元の金融緩和」が継続されることが確認されたことも、過剰流動性による株高を心理面から後押しすることとなったようだ。
 
 そして、米国ではFRB(連邦準備制度理事会)議長の議会証言が行われた。ここにおいて、金融緩和を継続すると発言したものの、その後米国景気が改善の方向を示すようになった場合、資産買入れなどの量的金融緩和を縮小する可能性があると述べるなど、先行きの緩和策終了に含みを持たせたことで米国市場もややネガティブに反応する場面が見られた。
 
 このような中、23日には前日の米株安にも関わらず、国内では朝方から株高が進行、日経平均株価は一時、16,000円に迫る場面が見られた。しかしながら、その後取引時間中に発表されたHSBC中国5月の製造業PMI(購買担当者景気指数)が49.6と、7ヶ月ぶりに景況感の分岐点である50を下回ったことで、同国景気に対する悲観論が台頭、株高地合いが続いていた国内では相場が一時、急落するなど、この日の日中の値幅は1,458円に達した。
 
 しかも、足元の株高の影響で投資魅力の低下していた円債市場では、前日の日銀金融政策決定会合において長期金利の上昇に対して必要な手段がとられなかったことを嫌気、23日には再度利回りが急伸、約1年1ヶ月ぶりに1.0%の大台に乗せた。景気の本格回復が遅れる中、長期金利の急上昇が景気を冷やしかねないとの見方が浮上した上、円債利回りの上昇で今後、外債投資を考えていた投資家が円債市場に回帰し、円安効果を相殺しかねないとの思惑が広がり投資家心理が急速に後退したことも相場の乱高下を招く一因になったと推察される。
 
 これを受けて、朝方から弱含んでいた円相場で次第に買戻しが入り強含み傾向にシフトした他、円債相場も利回り妙味から買い戻され、前日比で利回りが低下するなど、極端な相場展開となった。
 
 このように、23日には相次ぐネガティブサプライズの登場で株式、為替、円債の各市場が波乱の展開を余儀なくされたことは、相場が高値圏にあること、そして短期の値幅取り資金がマーケットを支配していることが、相場変動が極端になった背景であると思われる。同様に、この日の新興市場も急落となった。
 
 一方、その他の経済指標としては、米国の4月の中古住宅販売件数は前月比0.6%増、年率換算で497万戸と約3年半ぶりの高水準に達した他、4月の新築住宅販売件数は同2.3%増、年率換算で45.4万戸、3月のFHFA(連邦住宅金融庁)住宅価格指数は前月比1.3%上昇と、住宅関連指標はいずれも良好な結果となった。そして、ユーロ圏5月の消費者信頼感指数は-21.9と前月の-22.3からわずかに改善した。4月の米耐久財受注は同前月比3.3%増となり、先週の指標は概ねポジティブな数字が示された。
 
 外国為替市場では、週初より米国の金融緩和政策が縮小されるのではないかといった思惑が広がり、ドル買い/円売りの地合いでスタート。しかしながら、23日(木)にはHSBCが発表した中国5月の製造業PMI(購買担当者景気指数)が49.6と、7ヶ月ぶりに景況感の分岐点となる50を下回ったことで同国景気の先行きに対する不安感が台頭。さらに、株高の反面、上昇基調を強めていた10年長期国債利回りが急騰、約1年1ヶ月ぶりに1.0%の大台を上回ったことで投資家心理が急速に萎縮、高値圏にあった株式市場が急落したことで投資家のリスク回避スタンスが高まったことで円買いが加速するなど、目まぐるしい動きとなった。
 
 なお、先週は日経平均株価が急落する以前にピークアウトの感があった新興市場も下落。それまでマーケットを牽引していたゲーム関連やバイオ関連銘柄などが値を崩し、相場全体に対して悲観的ムードが広がった。
 
 先週は、23日(木)に日経平均株価が1,143円安と約13年ぶりの大幅安を演じるなど、昨秋のアベノミクス(安倍政権の経済政策)発動後、最大の下げを演じたことで、これまでマーケットを覆っていた楽観的ムードが後退したことで、目先はやや落ち着いた展開になるのではないかといた見方が広がったことは、過熱感を冷ますには良薬であったのかもしれない。このような結果、先週末の日経平均株価はその前の週末に比べて525.67円(3.5%)安と3週ぶりに反落した。週間の平均売買高は概算で同24.0%増の62億900万株、売買代金は同14.3%増の4兆4,567億円と売り買いが交錯したことでさらに拡大した。
 

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