悲観論・懐疑論対中央銀行の闘い

闘いの火ぶたは切られた

黒田日銀体制の登場により、誰の目にも中央銀行の闘いが明瞭となった。悲観論、懐疑論に対する闘いが。白川氏までの中銀は、中立を装う、傍観者、あるいは審判であった。しかし、これからの中銀は、悲観論・懐疑論を粉砕する軍隊の司令官(political activist)である。この司令官は著しくパワフルであり、容易に悲観論・懐疑論は打ち砕かれるだろう。何故なら中銀は無制限の弾丸を持っているからである。中銀は無制限の紙幣発行によりリスクテイカーを援護し、アニマルスピリットを鼓舞する。これに対して弾丸を持たないリスク回避者(悲観論・懐疑論)は、著しく非力であり、降伏せざるを得ない。投資家は雪崩を打ってリスク資産取得に向かうだろう。年末日経平均16000~17000円、1ドル=105円が視野に入ってきた。
「金融政策ではデフレは解決できない」「デフレ解消だけでは日本は良くならない」「超金融緩和はバブルを助長する」「超金融緩和はハイパーインフレをもたらす」「金融緩和はゾンビ企業を延命させるだけだ」等の悲観論・懐疑論は全て、現状は変えられない、現状を受け入れよという、宿命論である。大多数の学者、メディア・ジャーナリストそして白川日銀体制はそうした宿命論の信奉者であった。彼らは傍観者ぶっているが、その実態は、金融市場を売り崩す投機家の影の支援者となっていなかったであろうか。日本国民、日本政府そして黒田日銀体制はそうした悲観論・懐疑論が導く暗い現実を拒否したのである。

黒田東彦新総裁が打ち出した新機軸

黒田日銀新総裁は、従来の金融政策は「戦略を逐次投入していたため、デフレから脱却できなかった」として「現時点で必要と考えられるあらゆる措置を取ったと確信している」と断言。巨額の国債購入を軸に、マネタリーベース(資金供給量)の拡大を進める新政策で、今後2年を目途に物価目標の2%を達成する姿勢を強調した。その柱は、①マネタリーベース規模を2012年末138兆円から2013年末200兆円、2014年末270兆円へと倍増させること、②日銀保有国債の平均残存期間を従来の3年弱から7年程度に伸ばすこと、③上場投資信託(ETF、市場規模4.4兆円)の保有残高を年間約1兆円ペースで増加するよう買い入れること(株価に効果的な買い方を執行部で検討)、である。

日本経済史上の画期に

金利やリスクプレミアムの引き下げ、企業や家計が安全資産からリスク性資産に資金を移すリバランス効果、デフレが染みついた期待の転換がうたわれており、日銀が中立性を放棄し、リスクテイカー支援に回ったことが如実である。ようやく日銀がFRB、BOE、ECB並みの、市場価格に影響を及ぼすスタイルの、真正の量的金融緩和に踏み切ったものと評価される。以下にレポートした日銀の極端な消極姿勢が、抜本的に転換したのである。日本経済史における大きな画期となるだろう。

以下は、ストラテジーブレティン79号(2012年9月20日発行)の再掲である。

「ブラックスワン」対中央銀行、見劣りする日銀

ベン・バーナンキFRB議長とマリオ・ドラギECB総裁は無尽蔵の弾丸により、「ブラックスワン=貨幣偏愛」を殺すために立ちあがった。Don’t fight the Fed、投資家はリスクテイクの潮流に逆らうことはできないだろう。但し白川氏は及び腰、敵も鮮明でなく日本の独り負け形勢(円高デフレ)からの転換はぼやけたままである。

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