アベノミクスによる規制緩和を先取りするバイオ相場

 日本株は昨年秋の安倍政権誕生以降騰勢を強めています。これはアベノミクスといわれる大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略により、長期にわたり低迷してきた日本経済がデフレから脱却して、今後再成長していく期待が上昇し、外国人投資家が積極的に日本株投資を増やしていることが要因です。
 安倍政権発足以降、早期の補正予算の取りまとめ、また3月の日本銀行の人事で金融緩和を提唱している黒田新総裁、岩田副総裁を登用したことで金融、財政面での施策はある程度見えてきました。今後の株式市場の焦点は、規制改革会議や経済戦略会議での議論を踏まえ、成長分野として挙げられている農業、医療・健康、エネルギー分野などで規制緩和により産業育成がされるかに移っていくと思います。
 ここでは、医療・健康分野で、成長産業として位置づけられたIPS細胞・再生医療分野での規制緩和の議論について紹介します。
 IPS細胞は、京都大学の山中博士がノーベル賞を受賞したことで話題になりました。IPS細胞は、万能細胞と呼ばれ、未分化のIPS細胞を各種細胞に移植するすると神経細胞や心筋細胞などになるため、再生医療の応用が広がるため注目を集めています。現在、再生医療の実用化は人工皮膚などの一部の分野にとどまっていますが、今後研究開発が進んで臓器や医薬品などへの応用が進むと、市場は数十兆円規模に拡大するとみられます。しかし現状の日本の薬事法だと製品化するまでの臨床治験環境や審査期間、認可制度面で海外に比べ不利な面が多く、事業化する際に海外勢に比べ遅れを取る可能性が高いという問題があります。そのため再生医療推進基本法制定や薬事法改正などを行い、再生医療の実用化を国として後押ししていく方針です。

 具体的には承認審査期間の短縮はもちろんですが、迅速承認制度の導入や細胞加工受託業の規制緩和などが議論されています。迅速承認制度では自家細胞などを使った再生医療など比較的安全性が高いものに関しては、少数例のパイロット試験で安全性が確認されれば条件・期限付きで承認するものです。条件付承認後も臨床試験の継続や使用実績の詳細調査を義務付け、最終的な臨床結果を見て本承認に移項するものです。細胞加工受託の規制緩和は、医療機関における自家細胞再生医療(臨床研究も含む)で用いられる細胞培養・加工品の製造を専門性の高い業者への外部委託を可能にするものです。従来医療機関が研究で使用する細胞培養・加工品は自分たちで作らなければならず、非効率・高コストでした。外部委託が可能になることにより、医療機関の研究開発が促進されると同時に、再生医療を手がけるバイオ企業は、受託ビジネスが可能になります。
 このような規制緩和がなされれば、世界的にみても再生医療の臨床開発が進みやすくなるうえ、収益機会も増加するためバイオベンチャー企業などにとっては追い風になると同時に、大手企業の参入の契機になると思います。最近のバイオベンチャー株の急騰はこのような規制緩和を先取りする動きなのでしょう。

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