週間相場展望(2013.3.25~)~海外情勢と需給動向がポイント~

 先週(3月18日~3月22日)の国内株式市場は、その前の週末にユーロ圏財務相会合で金融支援を要請していたキプロスへの金融支援を巡って波乱が台頭、週初の世界マーケットにおいていち早く取引が始まる日本市場では投資家の警戒感が拡大、大幅安でスタートすることとなった。しかしながら、その後は過度の警戒感が後退したことで投資家心理は落着きを取り戻し、折からの米国市場が堅調に推移したこともあり、週末にかけては株高の基調が継続する展開となった。
 
 先週は、その前の週末に開催されたユーロ圏財務相会合において、キプロスへの金融支援において、支援実施の条件として同国の銀行預金に課徴金を課すことが決定、具体的には10万ユーロ超の口座には9.9%、それ以下には6.75%の税金を課すこととなった。これを受けて、同国では預金引き出しへの懸念が台頭するとともに、同国の金融市場の混乱が予想されたこと、そしてこの動きがスペインやイタリア、ポルトガルなど南欧の債務国にも波及し、ユーロ圏債務問題が再燃するのではないかといった懸念が急速に拡大した。これを受けて、世界でも最も早く週明けの取引が開始される東京市場では寄り付きから売り先行でスタート、投資家の不安心理が一気に盛り上がったことで、この日の日経平均株価は340円安と、2011年8月5日以来、約1年7ヶ月ぶりの下げ幅となった。
 
 しかしながら、今回のユーロ圏財務相会合におけるキプロスに対する措置は1回限りであり、他の債務国には適用しないということ、そしてキプロスのユーロ圏における経済規模が小さく、全体への影響は軽微なものに留まるといった認識が広がったこと、さらにキプロスの銀行市場がマネーロンダリングに使われているのではないかといった見方があったことから、ロシアなどの海外預金に対する制裁的な意味合いが濃かったことなどが判明、翌日以降は不安心理が沈静化した。
 
 このため、その後は米国市場をはじめ国内も落着きを取り戻すこととなった。しかも、米国ではキプロスショックの翌日から開催されたFOMC(連邦公開市場委員会)においてFRB(連邦準備制度理事会)は事実上のゼロ金利と資産買入など、金融緩和策を継続したことで市場心理が好転、特にNYダウは過去最高値圏で堅調に推移したことを好感して国内も下値を切り上げる展開が続いた。
 
 その米国では、先週発表された経済指標を見ると、3月のNAHB(全米住宅建設業者協会)住宅市場指数は44と2ヶ月連続で小幅低下となった。ただ、その内訳を見ると、6ヶ月先販売見通し指数は51と2ヶ月連続で上昇、購買見込み客足指数が35と2ヶ月ぶりに大きく改善するなど、悲観すべき結果でなかったことで悲観的なムードが広がることはなかった。そして、この翌日に発表された2月の住宅着工統計では、住宅着工件数は前月比で0.8%増、着工許可件数は同4.6%増と大幅に増加。さらに、同月の中古住宅販売件数は前月比0.8%増、FHFA(連邦住宅金融庁)住宅価格指数は前年比0.6%上昇となるなど、住宅市場の改善基調は継続しているとの見方が示されている。
 
 加えて、同月の景気先行指数は前月比0.5%上昇、3月のフィラデルフィア連銀製造業景気指数は2.0と3ヶ月ぶりにプラス圏に浮上しており、製造業の一角にも明るい兆しが見え始めている。なお、2月の北米半導体製造装置BBレシオは1.10と前月に比べて0.01ポイント低下した。このように、先週は米国で重要な経済指標の発表が相次いだが、全体としては景気の回復基調が強まったといえるのではないだろうか。
 
 なお、国内で発表された経済指標としては、2月の全国百貨店売上高が前年比で0.3%増と、2ヶ月連続で前年を上回るなど、ここにきて消費の動向にも明るさが見え始めている。昨秋来の株高に伴う資産効果が表面化しつつあるのではないかといった見方が広がるなど、円高修正の動きと併せ、国内景気の現状は徐々に好転しつつあるようである。
 
 外国為替相場に関しては、円相場は週初のキプロスショックで円が急速に買い戻されたが、それも一時的なものにとどまり、その後は米国の景況感の改善やNY株高などを背景にドルが強含む展開であった。しかも、先週は黒田新日銀総裁が正式に就任したが、来週の日銀金融政策決定会合を待たずに臨時会合などで追加緩和を打ち出すのではないかといった思惑がくすぶっていることもあり、円には下落圧力が強まった。
 
 先週は、キプロスショックにも関わらず、特にNYダウは堅調に推移するなど、世界的な株高トレンドは継続した。特に、国内では引き続き海外勢の買い越し基調が継続しており、個人投資家も材料性の強い銘柄などを中心に積極的に押し目買いを続けるなど、全員参加型の様相が見て取れた。先週の日経平均株価は前週末に比べて222.42円(1.8%)安と6週ぶりに反落した。週間の平均売買高は概算で同17.5%減の30億6,2566万株、売買代金は同15.3%減の2兆1,846億円であった。
 

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