目先はアメリカ株式と為替の動き次第の展開へ

<先週は、アメリカ発のドル買い・円安から、再び輸出関連株も復活>
 先週の予測では、衆議院での日銀の次期正・副総裁の所信表明も終わることで、円安一服となって輸出関連も一服することから、指数の上値は重いものの、内需株の物色が続くとしました。但し、出来高が2月初旬に比べると大きく減少していることは注意が必要としました。
 しかし、先週の1週間は大陽線となりました。4日(月)の安値11613円から8日(金)の高値12283円まで670円幅の上昇となっています。この背景は、いくつかの好条件が重なったことにあります。1つは、日本側から当面は積極的な金融政策を打ち出して円安を継続するのは対外的な批判を考えると難しいところでしたが、NYダウの史上最高値をきっかけにドル買いの展開となり、経済指標も次々と予想を上回ったことでアメリカの景気回復期待からドルが買い進まれ、日本側は何もしないで週末の8日(金)には96円台まで円安が進行しました。そのため、一服していた輸出関連株が再度買い直され、安倍政権の政策銘柄である不動産、倉庫、金融などの内需株と同時に買われて、8日(金)は△315の12283円の高値引けとなりました。又、前日までは8日(金)のメジャーSQの清算日を控えて、先物主導で12000円を突破する動きとなっていました。
 又、8日(金)に発表された2月の景気ウォッチャー調査で、現状判断指数が前月比△3.7の53.2となって景気判断の分岐点となる50を10ヶ月ぶりに上回り、先行き判断指数も前月比△1.2の57.7となって2001年8月以降で最高水準となっていました。これは、現場サイド(タクシーの運転手やデパートの店員など)の景況感からのデータですので、景気回復期待が徐々に広がっていることを示唆しています。この数値は主要株価指数と相関関係があることで知られていますので、先行きますます期待できる状況となりつつあります。

<日経平均は、NYダウ、円安次第の動きへ>
 日経平均は、先週末に為替が1ドル=95円を超える円安となってきたことで、一服中の輸出関連株が買い戻され、リーマンショック直前の2008年9月12日の12214円を回復したことで、更に上値を試す形となりました。為替の円安は、FRBバーナンキ議長のQE3の継続発言や2月雇用統計をはじめとする経済指標が市場予想を上回ったことでアメリカの景気回復が期待され、ドルが買われている結果といえます。ここで日銀の次期総裁が更なる金融緩和を強める発言をすれば一段の円安も期待できるところですが、今のところはアメリカ株式次第というところです。
 日本株式は、再び円安によって輸出関連株が買われていますが、これに加えて為替に影響を左右されない時価総額の大きい内需株中心のトピックスが買われてきているのは相場全体の厚みを増しています。
 今のところ、欧州問題の懸念以外の悪材料の出る可能性は少ないものの、高値警戒感で利益確定売りは出やすく、目先は12500円もしくは12600円台が上値抵抗ゾーンになる可能性があります。
 本日は、1ドル=96円台の円安進行を好感し、8日続伸の△65の12349円となりました。トピックスの上昇率は日経平均を上回り、△19の1039Pの大幅上昇となっています。

NYダウの史上最高値更新の背景を長短2つの視点で考える
 
チャートからは、1月28日(月)の時点で、上向きの三角保ち合いを上放れし史上最高値を目指すとして、その背景はアメリカ経済の景気回復期待と、中長期的にはシェールガスのエネルギー革命になるとしていました。しかし、短期的には、FRBによる未曾有の金融緩和の影響といえます。

①短期的には、FRBの超金融緩和策の結果
 3月5日(火)に△125の14253ドルと2007年10月11日の史上最高値14198ドルを更新したものの、最近5年間の米経済の変化(日経新聞3月7日号)をみてみると、経済の実体が追いついていないのが鮮明となります。

【最近5年間の米経済の変化(3/7の日経新聞より)】

007年10/9時点 2013年3/5時点
NYダウ ↑ (ザラ場14198ドル)14164ドル 14253ドル
主要500社の1株純利益 ↑ 66.2ドル 88.0ドル
製造業の鉱工業生産指数 ↓ 100 94.2
失業率 ↓ 4.70% 7.90%
長期金利 ↓ 4.65% 1.90%

 先週末の8日(金)の2月雇用統計で、失業率は7.7%と2008年12月以来の約4年ぶりの低水準となりましたが、2007年10月9日の史上最高値の時点では失業率は4.7%の低水準となっており、雇用情勢は大きくは改善していません。又、製造業の鉱工業生産指数は当時を100とすると、まだ94.2となっています。ということは、NYダウの史上最高値更新は、主要企業の1株利益が大きく改善されているものの、国内経済はまだ改善途中であり、FRBの超金融緩和を背景に株式市場が上昇している側面があるといえます。

 特に、先週初めのバーナンキ議長の議会証言で、米株高を「バブルの証拠は見当たらない」とし、毎月8兆円の債券購入を含む緩和策(QE3)について、「効果が費用を上回る」として、一部の委員から出ていた「出口観測」を否定し、雇用回復のためにQE3の必要性を強調しました。これを裏側からみると、株価と冴えない実体経済の乖離を認めたに等しく、その隙間をFRBの緩和マネーで埋めているという見方ができます。3月2日(土)の日経新聞の記事によると、そのため市場参加者に高揚感はなく、2月のNY証券取引所の1日平均売買高は前年同月より10%近く減少しているということです。そうだとすると、3月1日に発動した歳出削減の影響が実体経済に悪影響を与えることが現実のものとなれば、株価の下落となっていくる可能性があります。

②中長期には、エネルギー革命を徐々に織り込んで上昇続く(1月28日にもコメント)
 どんな上昇相場でも、株価は上下動しながら上昇が続くことを考えると、アメリカのいったんの景気回復への悪影響の事実や金融緩和策の出口戦略が論じられるような段階になると、大きな調整が起こってもおかしくありません。しかし、シェールガスやオイルによるエネルギー革命は、アメリカの景気回復を中長期的には実現していくものと思われます。
 採掘が困難だった新型の天然ガス「シェールガス」や「シェールオイル」の生産がアメリカで急伸し、エネルギー輸入国のアメリカが輸出国に転換する見通しとなっています。シェールガスは、米エネルギー情報局によると、2020年代初頭には生産が消費を上回り、輸出国になると予測しています。シェールオイル(原油)については、国際エネルギー機関が、アメリカが2020年半ばに世界最大の石油生産国になると見通しています。すでにUSスチールはシェールガスを活用し、純度の高い鉄を取り出す製鉄法へ参入を検討し、コストの2割減を狙っています。すべての製造業のコスト削減効果が生まれ、世界的な景気回復に結びついてくる可能性があります。当然日本の製造業にとってプラス要因となり、為替でもドル高が続き、円安基調も継続していくことになって日本経済の本格回復につながっていくことになります。

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