第8回 「戦略型株価指数」

前回の記事はこちら→業種指数(→https://money.minkabu.jp/37945)

これまで株価指数について議論を重ねて来ました。現在、ETFや投資信託の世界で最も利用されている時価総額加重平均型、その計算方法、相関係数やβ、業種別指数という流れで説明を加えてきたわけですが、今回は少し将来に目を向けてみたいと思います。

現在、非常に大きなイノベーションが株価指数の世界で起こっています。その一部は既に投資商品として具現化していますが、今後、さらに大きな存在になると言われています。かなり技術的な話が多くなりますが、今回はその一端をご紹介しましょう。

1. リターン源泉

 株式市場は様々な要因によって動いています。個別銘柄投資であれば、それぞれの株価は経済状況・新製品・市場シェア・経営戦略等々、様々な要因に影響を受けて上がったり、下がったりします。ETFや投資信託は、個別銘柄の集合体ですから、そのパフォーマンスも個別銘柄から導くことができます。それは以下のようになるでしょう。
 「今月のポートフォリオ・パフォーマンスは、銘柄Aが+3%、銘柄Bが-2.5%、銘柄Cが・・・・となりました。このうち、銘柄AとBは相関が56%で、銘柄AとCは相関が-32%、銘柄BとCは・・・。」
 これを延々と続けるわけです。すぐにお分かりの通り、100銘柄ぐらいの一般的ポートフォリオでも膨大な数の相関関係を紐解く必要があり、大変な作業になります。また、そのような説明をされても、実際に何がファンドのパフォーマンスに寄与したのか、皆目分からないことになると思います。
 これを分かりやすくするのがマルチ・ファクターのリスク分析になります。そもそも、ポートフォリオ・リターンは何によって生み出されるのか?その過程をより良く理解するために考えられたのが「リスクファクター(リスク要因)」という概念です。「複数のリスクファクター」で分析するという意味で、「マルチ・ファクター」と言われます。
 この手の学術的発展は常にアメリカで起こりますが、このリスクファクターも例外ではありません。アメリカのBarra(バーラ)社という会社が学者の研究をベースに始め、現在ではほぼすべての機関投資家が取り入れている概念です。
 個別銘柄の中には共通した特徴を持つ銘柄があり、その「共通性」を使ってポートフォリオの説明をするのがリスクファクターの考え方です。前回ご説明した「業種」を例にとれば、分かりやすいでしょう。業種とは、同じような事業を展開している企業は一定の共通性を有しているというものです。特に、事業に影響を与える環境変化(経済動向、為替変動、新興国や欧州などの地域経済状況等々)に対して同じように反応するので、そこには「業種」という共通性があると判断できます。
 これと同じように、「企業規模(大型株や小型株)」「割安度」「借入額の大小」などの要因で共通化することが可能です。これらの「リスク要因」がどのように振る舞ったかを分析すると、ポートフォリオ全体の動きを精緻に説明できると言われています。つまり、これらのリスク要因の動きを通じて、ポートフォリオの変動を理解するということです。
 この考え方を有効利用した指数が、現在、提供され始めています。投資戦略型株価指数と言われることが多いのですが、それらは、時価総額指数を一定の手法で加工し、リスク水準を下げたり、リターンを改善するという工夫がこらされています。今回はその代表的な例を2つ取り上げましょう。
 

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