7.業種指数

前回の記事はこちら→株価の連動性(→https://money.minkabu.jp/37580)

 これまで株価指数の中身や利用方法、それからETFへのつながりという順序で説明を加えてきました。その中で、ETFという商品が「市場リスク」を表しており、それを売り買いすることで投資家が市場リスクをコントロールすることができるという仕組みを説明してきました。その中で、レバレッジとインバース型ETFは大きな可能性を秘めていることを説明してきました。

 さて、今回はもう少し細かな話になります。株式投資には、市場リスク以外のリスク要因が存在しています。例えば、業種というリスク要因です。業種は「セクター」とも言われ、世界的には「世界業種分類基準(GICS)」という業種分類が主流で、MSCIのグローバル指数などはGICSベースの極めて多数の業種指数が算出されています。一方、日本では東証の規定する17業種や33業種という区分が一般的です。業種分類は、「同じような事業特性を持つ企業群」というくくりですので、様々な分類方法がありますが、投資家としては「同じようなリスク要因を持つ企業群」と考えることになります。事業リスクが共通している企業群なので、特定のニュースや事象に対して、同じように株価が反応する(同じように投資家が考える)ということです。

 さて、日本には17業種をベースとする多数のセクターETFが上場しています。しかし、残念ながら流動性の高い(売買が活発な)セクターETFは非常に限られています。米国ではセクターETFというのは非常に活発に売買されており、いかに「セクター」というリスク要因が米国で定着しているかが分かります。日本ではセクターETFが機動的に売買できないので、もう一段高度な株式投資を行うことができないのですが、参考までにどのように使うことができるかをご説明します。ただし、内容は既に説明してきたことを応用するだけですので、新しいことではありません。

 セクターETFの使い方を考える上では、まずその元となる業種指数の振る舞いを理解する必要があります。業種指数を合成したものがTOPIXなどの市場全体を表す株価指数ですので、使い方としては、市場を細分化した投資ということになります。業種の中にはかなり特徴的な動きをするものがあります。最も知られているのは公益事業でしょう。電力やガスという公益事業業種は、一般的に低ベータ(値動きがおとなしい)という特徴があり、比較的配当利回りが高いという特徴がありました。ただし、大震災後の原発問題により、過去顕在化していなかったリスクが存在することが明らかになったため、現在、公益事業セクターを「ディフェンシブ(守り)」と認識している投資家は少数派なのではないでしょうか。ちょっと不謹慎な話なのですが、原発問題を受けて株式投資家は公益事業を「売り」と認識するわけですから、その場合、セクターETFでまとめて売るということが可能になります。

 また、エネルギーや金融業というセクターも比較的特徴が明らかな業種です。エネルギー業種は原油価格への感応度が高く、金融業種は金利への感応度が高いという特徴があり、また市場全体と比較して高ベータ(株価指数よりも値動きが激しい)です。

 このような業種指数の振る舞いについて馴染みのない投資家の方は、以下の方法で実際にデータ分析をしてみて下さい。

(1) まず、取引証券会社や金融データの充実したホームページなどから、業種指数の過去データをダウンロードする。過去データは、できれば5年以上欲しいところです。普通は3年でも良いと言われていますが、2008年のリーマン・ショックや2011年の大震災の影響を見るためには5年以上が良いでしょう。また、投資ホライゾン(投資の期間)によって、日次騰落率でも月次騰落率でも構いません。両方見るのがベターです。
(2) まずは、TOPIXや日経平均と併せて、過去の業種指数値でチャート(グラフ)を作成し、どのようにそれぞれの業種が動いてきたかを確認する。
(3) 次に、騰落率を使ってエクセルで相関とベータを計算し、それをTOPIXや日経平均と比較する。
(4) 過去のチャートと相関やベータを合わせて確認し、それぞれの業種がだいたいにおいてどのような振る舞いをする傾向にあるのかを認識する。なお、すべての業種について認識することはできないので、分かるものだけを理解するということでOK。

ヤフーブックマーク Googleブックマーク はてなブックマーク ツィートする シェアする  ライブドアブックマーク ディスカス

キーワード

 

連記事

 
 
 

新記事

 
 

[PR] クレジットカード比較ランキング

んかぶピックアップ
ネット証券口座比較 ネット証券口座比較
証券口座選びを完全サポート
総合ランキング1位はこちら!
FX比較ランキング FX比較ランキング
みんためスタッフが独自調査で
おすすめのFX会社を紹介!
クレジットカード比較 クレジットカード比較
おすすめのクレジットカードを
ピックアップしてご紹介!
【株式投資初心者ガイド】 ネット証券会社選びお役立ち情報!
投資家に役立つ情報が満載
【株式投資初心者ガイド】
みんかぶマガジン> 全ての記事> ETF/REIT> 7.業種指数