中国経済を見る目-輸出主導か内需依存型か-

 中国の成長減速説が多い。人口ボーナスの消滅と輸出主導型経済がその理由であるが、この理由は実証研究の裏付けのない怪しいものだ。中国の輸出依存度は日本経済の半分である。中国の経済成長は内需依存型であり、欧州経済のリセッションにもかかわらず、中国は昨年秋、景気は拡大に向かった。もちろん、無限に二桁成長する国はあり得ないから、いつか成長減速することはあるだろう。しかし、その理由は違う。

1、輸出依存度の日中比較

 図1及び表1は、日本と中国の輸出依存度(製造業)を比較したものである。近年は日本26%、中国13%である。中国の輸出依存度は日本の半分である。

 中国も、2006年頃までは緩やかに輸出依存度が上昇に向かっていたが、2007年以降、輸出依存度は低下の一途である。特にリーマンショック以降、それは顕著である。

図1 輸出依存度(製造業)の日中比較

表1 輸出依存度(製造業)の日中比較

 2008年のリーマンショック当時、「中国は輸出主導型経済であるから、世界不況で輸出が減少すれば、中国経済は崩壊する」みたいな議論が横行したが、一番打撃の大きかったのは日本経済であった。その時点でも、中国の輸出依存度は日本より低かったのである。そして、4兆元の財政支出と金融緩和で内需拡大に成功し、そのお陰で、日本をはじめ、各国は中国向け輸出に助けられ、景気回復に向かった。中国崩壊論とは真逆で、世界は中国に救われたのである。

 当時、多くのエコノミストは、マクロのGDP対比で輸出比率を見ていた。確かに、中国はGDP比の輸出比率は高い(表2参照)。しかし、購買力平価換算のGDP対比で見れば、日本と同じ程度である。各国の所得比較は購買力平価によるべきであるにもかかわらず、為替レート換算のGDPで輸出比率を計算し、比較するという過ちを犯したのである。誤った指標を持ち出したため、誤った結論を導いたのである。

 なお、拙稿「世界同時不況の突破口-中国V字型回復、日本は輸出主導型回復へ」『現代の理論』2009年春号、および拙稿「中国の輸出依存度再論」『現代の理論』2009年夏号参照。また、当Webサイトでも、拙稿「果して中国は外向型経済か?その真偽を問う」2009年4月23日付ほか、4月29日、5月6日、5月27日、6月30日付で同様な議論を展開した(『みんなの株式』〈マネー講座〉)。

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