「ブランド力と投資価値」

 ブランドとは何か。ローランド・ベルガーの鬼頭孝幸パートナーの話を聞くと、「ブランドとは、消費者が思い浮かべる価値イメージである」と述べていた。安くて便利、先進的で独創的、高品質で超一流など、さまざまなイメージがありうる。

 この価値イメージは、何らかの‘顧客との接点’を通じて形成される。接点には、商品やサービスそのものはもちろん。それを提供する人や場面、知らしめるためのメディアも重要になってくる。価値イメージが蓄積されてくると、ブランドになっていく。自分に蓄積されていけば、自分にとっての「こだわり」になり、多くの人に知れ亘っていけば、「あこがれ」になったりする。

 顧客とのつながりにおいては、①接点が実感できること、②接点がブレないこと、③継続性があることが重要である、と鬼頭氏はいう。企業は高いブランド作りに懸命に力を注いでいる。また、ブランドを支えるためには、企業がそのブランドを通して提供したい価値に関して、顧客にはっきり見えている必要がある。

 この価値を生み出す源泉を投資家は知りたい。3Mやアップルでは開発者が優れている、ZARAやトヨタはオペレーションが優れている、P&Gやサムスンはマーケティングが優れている、といういい方もできるが、もっと中身を知りたい。

 その価値創造の基本的な枠組みのことをプラットフォームといったり、ビジネスモデルといったりする。誰が、誰に、何を提供するのか。それをどのように作り込んでいくのか。価値創造の仕組みをビジョン、コンセプト、バリューチェーン、組織能力などからみていくと、それは企業活動そのものである。

 消費者は、企業が提供する商品やサービスを受け取って、ブランドを感じ、満足度を高めていく。場合によっては逆もあり、信頼を失っていくケースも多い。

 投資家は、提供する商品やサービスの内側、裏側を見ている。どのような仕組みで、その提供する価値が作られているのかを知ろうとする。この価値創造の仕組みは固定的ではない。会社の強みそのものであるが、それは経営環境の変化に合わせて適応させていく必要がある。さもないと、いずれ陳腐化して、価値を創造し提供することができなくなる。

 投資家は、企業が有している価値創造の仕組みを“見える化”してほしいと思っており、自分なりにイメージをはっきりさせたい。この仕組みを理解することが最も‘長持ちする情報’となる。これが腹に入っていれば、結果としての業績やそれを示唆するKPI(重要業績指標)を安心してみることができる。いい時も悪い時も、ビジネスモデルの進化にフォーカスしていくのである。

 企業は投資家に対して、消費者としてブランドをイメージしてもらうだけではなく、ブランド力が上がるような経営、ブランド力が長続きするような経営を分ってもらうことが求められる。それがIRのミッションである。

 消費財ではない生産財や素材を作っている会社も多い。商品ではなくサービスを提供している会社も多い。では、JT(日本たばこ産業)のブランド力は何か、野村ホールディングスはどうか、三菱ケミカルホールディングスのブランド力はどこにあるかなど、自由に発想してみると、意外にイメージが固まっていないことに気付くのではないだろうか。改めて、ブランドと投資についてイメージをリンクしてみたい。

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