中国経済のポイントは「量の拡大」から「質の改善」へ-産業用ロボットの構造的な成長-

 中国は過去数年にわたってGDP成長率で2桁以上の目覚しい高成長を続けてきました。特にリーマンショック以降は4兆元(日本円で約50兆円)という大規模な公共投資を行い、減速した世界経済をけん引する機関車のような力強い経済成長を遂げました。しかし不動産価格の急激な上昇、消費者物価の上昇、貧富の格差の拡大、労働者賃金の引上げ、環境負荷の増大など急激な成長に伴う副作用が表面化したことから金融引締めを行い、過熱した経済を冷却させる政策をとった結果、経済成長の鈍化が顕在化してきました。スピードを重視した成長政策から、バランスの取れた成長へと変化すべき時期に差し掛かっていることは間違いないようです。これまでの中国の経済成長を「量の拡大」であるとすると、今後は「質の改善」により成長を成し遂げていくことが必要ではないでしょうか。

低賃金生産モデルの限界

 このような環境での代表的な事例として、人件費の上昇による構造変化、産業や生産設備の高度化に注目したいと思います。毎年旧正月や国慶節など中国の長期休暇シーズン明けには、地方出身の労働者が帰京せず人材の確保が困難になってきたことを報じるニュース記事が見受けられます。沿岸都市部の一極集中的な発展だけでなく、西部大開発の名のもと内陸部や小規模の町まで都市化が進んできたことで地方での雇用環境が改善し都市部への労働人材供給能力が減少したことが原因と考えられます。安い労働力を活用して人海戦術で生産を行い、低コストの製品を製造する低付加価値生産モデルに限界が見えつつあるようです。実際に一部の製造業では中国に見切りをつけ、更なる低賃金を求めてミャンマー、カンボジア、ラオスに進出する例も頻発しています。図表1に見られるように生産性を加味した単位労働コストで比較すると日本と比べてもその差は縮小しており、低賃金だけを売りモノにするのではなく産業、生産設備の質を改善させる必要が高まってきているといえます。
 ロボット導入による設備の自動化は中国の製造業にとって欠くことが出来ない課題と言えるでしょう。

図表1

産業用ロボットの普及状況

 それでは産業用ロボットは世界でどのように使われているのでしょうか。図表2を見ると日本、アメリカ、ドイツなど人件費が高い地域、また自動車やエレクトロニクスなど産業集積が高い地域で多く使われています。更に自動化の度合いを測るために図表3に示したロボット装備率を見ると、日本、韓国、ドイツでは同じような水準までロボットが装備されている一方で、中国やインド、タイでは増加してきた自動車生産台数の割にロボットが装備されていないことがお分かりいただけると思います。まだまだ人手に頼った生産が行われているといえます。

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