世界経済減速をどう見る?

欧州債務問題の対応から考える

まずは、先週東京で開催されたIMF(国際通貨基金)年次総会で示された世界経済見通しをアップデートしておきます。

・世界経済の成長は2012年3.3%、13年は3.6%に鈍化する見通し、4月からは2度目の下方修正です。7月時点の見通しでは12年がプラス3.5%、13年がプラス3.9% 12年の成長は2009年以降で最も遅いペースとなります。

・米国の成長率は、今年、来年ともに2%をやや上回る程度と予想。ユーロ圏は今年0.4%のマイナス成長、来年は0.2%の成長に留まるとしています。

・新興国市場については、依然先進国の4倍のペースでの成長を予想、インドとブラジルの見通しは大幅に下方修正、ブラジルについては、今年の成長率は米国を下回るとみているようです。中国は今年、来年の見通しを下方修正していますが、ハードランディングの可能性は低いと考えているようです。

・欧州の債務危機問題と米国の「財政の崖」への対応が重要としています。

欧州の債務問題は、9月にECB(欧州中銀)が重債務国を対象とした無制限の国債購入政策を打ち出したことから、欧州のテールリスク(発生すると巨大な損失をもたらすリスク)は後退しました。欧州向け資金は優良国ドイツなどの国債から欧米株などのリスク資産へシフト、通貨ユーロも上昇の動きを強めました。しかし南欧の重債務国を中心に景気減速は強まる一方です。緊縮財政を強化し財政改善を目指す政策は経済減速を増幅さします。オランド仏大統領の選挙公約に続き、IMFラガルド専務理事もIMF年次総会で緊縮財政一辺倒の厳格な政策から、重債務国には時間的猶予を与え過度な赤字削減策から今後は成長政策を取り入れるべきとの認識を示しました。今週に入りメルケル独首相、ショイブレ独財務相は、ギリシャの債務不履行やユーロ離脱などユーロ圏における「コントロール不能な事態」に繋がる事態は明確に否定したことから、ドイツは厳格な姿勢を軟化さしていると見る向きも増えています。しかし常に厳格な姿勢で欧州問題に対応していたドイツがスタンスを簡単に変更する可能性は低く、米国大統領選挙を控えそれまでは欧州問題で波風を立たせたくないと考えるのが一般的ではないでしょうか。

17日トロイカ(EU・IMF・ECB)調査団はギリシャに対しての調査を終え、労働改革を除く追加支援実施に必要な合意は得られたようです。今後トロイカは支援条件達成に向けたギリシャの進捗状況や、持続可能な水準への債務削減が可能かどうかの判断を報告書にまとめます。ドイツはトロイカからの報告を待ってギリシャの対応を決定すると言っています。またスペインの支援要請は11月になる可能性が高いと考えられます。このことからも11月米国大統領選挙以降、重債務国の緊縮財政強化が緩和方向に向かい、成長政策に軸足を移せるのか、ドイツが厳格姿勢を変更し今までのスタンスを軟化してくるのかが最大のポイントになりそうです。

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