週間相場展望(2012.10.9~)~欧州債務問題の展開に注目~

 先週(10月1日~10月5日)の国内株式市場は、週初はその前の週末に発表された米国の景気指標が悪化したことを受けて売り先行でスタートしたが、その後は積極的な手掛かり材料が乏しい中、米中の景気指標や日米の金融政策会合、そして週末の米国の注目経済指標の結果を見たいといったムードが強まり、連日のように売り買いが交錯する、方向感に乏しい展開を余儀なくされた。ただ、週後半には円相場の下げ幅が拡大したことでやや強気の見方も浮上したが、全体的には売買のボリュームは低調であり、下値模索の様相が強まった週であった。
 
 まず、先週はその前の週末に発表された米10月シカゴ購買部協会景気指数が49.7となり、2009年9月以来、3年ぶりに景況感の分岐点となる50を下回ったことで、欧州や中国の景気減速の影響が米国にも広がっているのではないかといった思惑が浮上、NYダウが下げた影響で諸所のマーケットには投資家の不安心理が台頭。さらに、同日に発表された製造業PMI(購買担当者景気指数)が49.8と前月から0.6ポイント上昇(改善)したものの、依然として景況感の分岐点である50を下回ったままになっていることを受けて、同国の景気見通しにも警戒感が広がった。このような中、スペインの財政問題が再燃しかねない状況になったこともあり、日経平均株価はマイナスで引けた。その後も、引き続き手掛かり材料が乏しい状況に変わりはなかったが、週半ばの米ADP全米雇用レポートや週後半の日銀金融政策決定会合並びにECB(欧州中央銀行)理事会の行方、そして週末の米雇用統計などを見たいといったムードが強まり、強弱感が対立する中、狭い範囲内で下値を模索する地合いが続いた。
 
 先週の国内の注目ポイントは週初に発表された7~9月日銀短観であろう。注目の大企業製造業の業況判断指数は、「最近」が▲3と前回調査の▲1から3ヶ月ぶりに悪化した。前回調査時の「先行き」はプラスを見込んでいただけに、短期間で景況感が急速に悪化したことは我が国の景気の厳しい現状を浮かび上がらせることとなった。そして、10~12月の先行きは▲3と今回調査から横ばいを見込むなど、先行きに対する不透明感が残る結果となった。足元における欧州経済の低迷に加え、中国景気の減速感、さらには日中情勢の悪化による関連企業の収益状況の不確実性の高まりなどが背景にあると推察される。日銀短観の悪化は投資家心理の重石になった可能性が高く、その後の相場の買い手控え気分につながったと考えられる。
 
 なお、国内では先週、第2四半期決算を巡る業績の下方修正が相次いだことも特徴であろう。円高や海外需要の減少などが追い打ちをかけたようであり、今後この流れが強まるようだとさらなる株価圧迫要因になりかねないといった思惑が広がったことは非常に気になるところである。また、週末にかけて開催された日銀金融政策決定会合では、金融政策は据え置きと決まった
 
 米国では、特段の注目イベントは見当たらなかったものの、先週は重要経済指標の発表が相次いだ。まず、週初に発表された9月のISM製造業景気指数は51.5と景況感の分岐点となる50を4ヶ月ぶりに上回ったが、マーケットの厳しい景況感を好転させるには力不足との見方が多かった。一方、その後発表されたADP全米雇用レポートでは民間部門の雇用者数は16.2万人増と市場予想を上回った他、同月のISM非製造業景気指数は55.1と3ヶ月連続で上昇するとともに、3月以来の高水準を回復した。しかしながら、8月の製造業受注指数は前月比5.2%減と約3年半ぶりの大幅な下落率となるなど、製造業を取り巻く環境の厳しさが浮き彫りになった。
 
 一方、欧州では週後半にECB(欧州中央銀行)理事会が開催されたが、それに先立って発表された8月のユーロ圏失業率は11.4%と、前月に引き続きユーロ発足以来の最高水準に位置するなど、域内雇用情勢は非常に厳しい環境に置かれていることが確認された。そして、ECB理事会では目新しいサプライズはなかったものの、重債務国の国債買入れの用意があることが改めて示されたことでマーケットには安心感が広がった。
 
 中国・上海市場は国慶節(建国記念日)で1週間休場であったが、週初に発表された9月の製造業PMI(購買担当者景気指数)は49.8と前月に比べて0.6ポイント上昇したものの、依然として50を下回ったままであり、景況感の改善は遅れている。さらに、同月の非製造業PMIは53.7と前月の56.3から急低下、製造業の低迷が非製造業に波及してきたのではないかといった思惑が広がるなど、中国景気は楽観できない状況が示された。
 
 為替相場に関しては、週初より小動きで推移していたが、スペインが早晩、救済機関に金融支援を要請するといった見方が強まった他、米国の一部経済指標の改善、そして日銀金融政策決定会合で追加金融緩和が打ち出されるのではないかといった観測が浮上したことで週末にかけて円売りが加速、ドル円相場はチャート上で5日移動平均線と25日移動平均線が約1ヶ月半ぶりにゴールデン・クロスを達成し、円安トレンドへの動きが高まった。
 
 このような流れを受けて、先週の日経平均株価はその前の週に比べて6.86円(0.1%)安と3週連続で低下した。週間の平均売買高は同9.4%減の14億4,979万株、平均売買代金は同9.8%減の9,261億円であった。
 

ヤフーブックマーク Googleブックマーク はてなブックマーク ツィートする シェアする  ライブドアブックマーク ディスカス

キーワード

 

連記事

 
 
 

新記事

 
 

[PR] クレジットカード比較ランキング

んかぶピックアップ
ネット証券口座比較 ネット証券口座比較
証券口座選びを完全サポート
総合ランキング1位はこちら!
FX比較ランキング FX比較ランキング
みんためスタッフが独自調査で
おすすめのFX会社を紹介!
クレジットカード比較 クレジットカード比較
おすすめのクレジットカードを
ピックアップしてご紹介!
【株式投資初心者ガイド】 ネット証券会社選びお役立ち情報!
投資家に役立つ情報が満載
【株式投資初心者ガイド】
みんかぶマガジン> 全ての記事> 市場解説・相場展望> 週間相場展望(2012.10.9~)~欧州債務問題の展開に注目~