日中関係

考慮しなければいけないリスク

 日本と中国の緊張が高まっています。過去から日中の二国間では度々摩擦がありましたが、今回のデモは過去と比較してかなり規模が大きい模様です。日本企業の工場や店舗、日本ブランドの自動車などが実際の被害にあったり、日系企業の製品の不買を呼びかける声があがったりするなど経済活動への影響は軽視できない状況です。特に被害が大きかったイオンの「ジャスコ黄島店」においては被害総額が25億円にのぼり、復旧に約3ヶ月かかるとのことです。
 ご存知の通り近年は中国での事業展開を積極化させる日本企業が増えています。小売業で言うとイオンやコンビニエンスストア各社のように日本で全国展開している企業のみならず、滋賀県地盤の平和堂のように国内では一部地域でのみで店舗展開している小売企業が日本国内の他地域ではなく中国への展開を行っているケースもあります。平和堂は今から12年前の平成10年に滋賀県と湖南省との間で友好協定が結ばれたことをきっかけに招請を受ける形で湖南省長沙市に中国一号店を出店しています。多くの日系小売業の中国進出が香港や上海を起点に他の地域に事業拡大しているのとは異なり、平和堂は湖南省のみに3店舗を展開しており、この8月に4号店の出店計画を発表したばかりでした。平和堂のように地域密着型の経営を行っており評判も良かった店舗であっても被害を受けるという事態を目にして多くの企業経営者が中国のカントリーリスクを再認識し始めていると思われます。
 今回の騒動による日本企業の経営に与えるリスクとして考えられるものは、工場や店舗の被害や休業による機会損失、不買運動などによる販売不振、通関強化による輸出入の停滞やサプライチェーンの分断などが挙げられます。その他にも日系企業の中国拠点向けに設備、部品、各種サービスを展開している企業にとっては、顧客である日系企業の中国での事業展開が抑制されることがネガティブに作用しかねません。また安全上の観点から日本人駐在員やその家族の渡航抑制がおきる可能性も考えられます。

過去の日中貿易から見ると

 上場企業においても中国で事業展開している企業が数多くありますので、株式投資の上ではこれら様々なリスクを頭に入れながら慎重な判断を行う必要があります。ただし、日中の貿易の推移を見ると、輸出入が停滞しているのは世界的に景気が悪化した2009年のみで、大規模なデモが行われた2005年や前回尖閣諸島が問題視された2010年は堅調な伸びを示しています。結果として2005年から2011年にかけて輸出は2倍、輸入は約7割増と両国の経済的なつながりは一貫して強まっています。今回は規模が大きいため過去とは異なる結果になる可能性もありますが、一時的な国民感情の悪化がすなわち経済活動の長期停滞につながると考えるのは早計と言えるかもしれません。

※当コラムに掲載された企業は、あくまでも当コラムの内容の理解を深めて頂くためのご参考として掲載したものであり、個別企業を推奨しているものではありません。

(チャナリスト)

このページのコンテンツは、スパークス・アセット・マネジメント㈱の協力により、転載いたしております。
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