「ブラックスワン」対中央銀行、見劣りする日銀

ベン・バーナンキFRB議長とマリオ・ドラギECB総裁は無尽蔵の弾丸により、「ブラックスワン=貨幣偏愛」を殺すために立ち上がった。Don’t fight the Fed(Fedと闘うな)、投資家はリスクテイクの潮流に逆らうことはできないだろう。但し白川氏は及び腰、敵も鮮明でなく日本の独り負け形勢(円高デフレ)からの転換はぼやけたままである。

無尽蔵の弾丸を撃つFRB、ECB中央銀行

9月13日、米国中央銀行(FRB)はQE3に踏み切った。毎月400億ドルのMBS(不動産担保証券)を無期限で購入するというもの、資産価格引き上げを通して雇用と経済の持続拡大を果たすという覚悟が鮮明である。QE3は先行するQE1、QE2とは決定的な相違がある。第一にQE1、QE2は買い入れ資産規模が決められていたが、今回は無制限、第二にQE1、QE2はデフレ陥落の危機に対する防御が第一義であったのに対して、QE3はデフレリスクが十分低下しているのに実施しているという点である。図表1に見るように、QE1、QE2は米国の期待インフレ率(10年国債利回り-物価連動10年国債利回り)が急低下した時に実施されているが、今回はそれが十分上昇している局面で実施された。つまりQE3はデフレ防衛という受け身ではなく、雇用回復という目的に対して攻撃的スタンスに立っている。その最初の恩恵は住宅需要回復、住宅価格の回復となって現れるだろう。

9月6日、ECB理事会もESM(欧州安定メカニズム)への支援要請などを条件に、無制限のOMT (Outright Monetary Transactions、南欧諸国国債買い入れ)を決定した。それはユーロ危機の根底にあった、「ブラックスワン・シナリオ」(=恐怖の増幅によるシステム崩壊の可能性)を排除し、市場心理を根本転換させると予想される。2010年以降のユーロ危機は、南北間の不均衡と南諸国の放漫経済(低生産性・財政赤字)といったファンダメンタルズだけではなく、ユーロ崩壊必至と決めつける投機家の喧伝によって、金融市場が事実上機能停止(=「貨幣偏愛」の定着)したことによっておこった。OMTはそれに照準が合わせられている。

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