☆ビジネス・レポート第三十四号☆

~「中国第12次5ヵ年計画から見た中国の成長戦略と外資系企業への影響」~成長モデルの転換「内需拡大戦略」を中心に~ 

 5カ年計画とは、中国政府が経済・社会の発展目標、経済運営のあり方を示す国家の中期計画です。2011年3月14日に、第12次5カ年計画(2011~15年)(以下「計画」)が全国人民代表大会で採択されました。この「計画」が在中外資系企業に与える影響について考えてみましょう。
 「計画」では、成長モデルの転換が示されました。従来の「投資と輸出」という成長モデルから、「内需拡大戦略」による成長モデルへの転換です。「長期的な内需拡大メカニズムを構築し、消費と投資と輸出の3者調和による成長」を目指すとあります(「計画」第一章3項)。
 「消費」に関して、「長期的消費拡大メカニズムを構築し、消費を内需拡大戦略の重点と位置付けられる」(第一章6項)とあります。「投資」に関して、「投資項目の土地使用、資源節約、環境保護、安全性などの基準が厳格に執行され、計画性に欠ける設備拡張や重複建設を抑制していく」(第二章7項)とあります。従来の「外国企業からの外資吸収」という方針から「外国企業からの外資吸収と中国企業の対外投資政策が共に拡大する」(第十一章)ことが明記されています。「輸出」に関して、従来の輸出重視という姿勢から、「輸入と輸出が同程度」(第十一章)であることを重視する姿勢に変わりました。従来の投資と輸出に大きく依存してきた成長方式から脱却し、消費主導の成長を目指すことが読み取れます。
 内需拡大戦略が打ち出されたことは初めてではありません、2008年の金融危機以後、中国の輸出額が大幅的に落ち込み、中国政府は4兆元(約50兆円)の景気刺激策を打ち出しました。例えば、自動車購入に関する優遇政策とか、家電普及促進策とかの促進策がありました。しかし、これらの政策はいずれも緊急時の財政対策でした。今回初めて単独項目として、「内需拡大戦略」が第二章で全面に打ち出されました。そこでは長期的な消費拡大を実現するための仕組みづくりとして、国民の所得増加と再分配が強調されています。
 日系企業にとって、「内需拡大戦略」による消費拡大は、ビジネスチャンスにつながります。中間層の拡大にともない、「高品質」「オリジナリティ」を求めるニーズが日々高まっています。中国の消費者は昔から日本製品にとても良いイメージをもっており、日本製品イコール「品質が良い」「便利」「カッコイイ」とされています。「計画」による消費の拡大は、日本企業にとって追い風となります。
 一方で、中国の消費市場は、世界中の企業からの進出が相次ぎ、激戦区となっています。今後、競争がさらに激しくなることは間違いありません。日本製品はこの激戦で勝利するために、「日本製」というブランド力をフルに使い、日本製品の「良さ」「オリジナルティ」を消費者にアピールしていくことがとても大切になってきます。
 


SBI大学院大学准教授 細沼藹芳

このレポートは2011年6月14日に配信したものです。

このページのコンテンツは、SBIホールディングス㈱様の協力により、転載いたしております。
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