☆ビジネス・レポート第二十九号☆

~スピードと競争で成長し続ける韓国企業~

リーマンショック以来、着実に経済成長を続けている韓国。
その反面なかなか元気を取り戻せない日本。
両国の違いは何か、いつも問題意識をもっていた私。
韓国を訪問するたびにサラリーマンたちとも話し合いをする機会は多いが、そこで辿りついたことが日本と韓国との文化的な背景の大きな違いである。
キーワードは「スピード」と「競争」。
「スピード」については日本でも良く知られている。
とにかく「パリパリ」(日本語で早く早くの意味)が好きな国民性のおかげでITが急速に広がった。
金曜日の夜、とあるサラリーマンとお酒を一緒に飲んでいる時、彼の携帯に取引先から商談の問い合わせが入った。
彼は遅い時間にも関わらず上司の携帯に電話をかけ寝ている上司を叩き起こし指示を仰ぎ、すぐ取引先に結果を知らせた。即時結論を出さなければ週末を越せないのである。
アフターサービスにおいても日本とは全く違う。
家のPCが壊れると、メーカーのアフターサービスの担当がその日に飛んできて修理してくれる。
もしその担当が処理できなければPCを修理センターに持ち帰って、少なくても3日以内に修理したものを届けてくれる。
他の家電製品も同様である。洋服の裾直しはその場で直してくれるのが当たり前である。
そうでないと客は他の店に行ってしまう。
問題が生じれば即解決することが当たり前の社会なのである。
この「スピード」が「競争」と上手くあいまって成長の原動力となっている。
韓国は厳しい競争社会で子供の受験戦争は凄まじい。
さらに有名大学を出ても正社員として就職できるのは半数程度に留まり、日本より若者の就職率ははるかに厳しい。
就職しても今度は熾烈な社内競争が繰り広げられる。
徹底的な成果主義で毎年人事考課がA,B,C,Dランクに分けられ、Dランクに属する人は翌年、いつ解雇されてもおかしくない。
何にも前触れもなく突然メールで解雇通知が来る場合もある。
昇進の場合はもっと激しい競争が始まる。
昇進のレールから少しでも遅れれば「38度線(南北軍事境界線—38歳前後での早期退職)」を迫られることになる。
この熾烈な競争は社内だけで繰り広げられるわけではない。
競争相手の会社に負けないために社員が一丸となって頑張る。
サムスンとLGの場合、創業者同士がお互いに絶対負けまいと競争心を燃やしたため、今日のように優れた家電製品や携帯電話を生みだすことができたという。
海外展開においてもサムスンが進出する国には必ずLGも進出する。
つまり、同じ会社の社員同士が競い合い、また国内の会社同士も競い合い、そのパワーで海外へ行っても他国の会社同士とも同じく熾烈な競争を続ける。
競争に勝つためにはスピードも欠かせない。
「スピード」と「競争」の両方が相まって戦後著しく発展してきた日本を競争相手に、短時間で追いかけてきたのである。
このように韓国は「合意」と「秩序」を重視する日本の社会とは大きく異なる文化的背景をもっている。
日本と韓国を行き来している私にとって両国の今後の行方がとても楽しみである。


SBI大学院大学准教授 申 美花

 
*このレポートは2011年2月18日に配信したものです。

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