☆ビジネス・レポート第二十八号☆

~相続の今昔!~
 
昨年から、増加するシニアに向けて相続税に関する個別無料相談を始めた。 
最初は相続税だけの相談で始めたが、今は相続手続きや遺言書についての相談も受けるようになった。
いろいろな相談を受ける中で、今年はさらにその相談窓口を広げ「一般社団法人ハートフル夢サポート」を設立し、遺言相続はもとより、成年後見、介護、葬儀、遺品整理なるものまで、ワンストップで相談を受けられる体制を整備したのである。
相続問題は決して他人事でなく、人は、誰もがいずれ両親の死に直面する。
(時には順序が逆になる場合もあるが)その時に、親の財産(負の財産も含む)を相続することになる。
一生のうちに相続が起こるのは一般的には2回(両親)で、めったに起こることでは無いだけに、しっかりと備えておくことが肝要だ。
そこに時として、今までと全く違った人間ドラマが生まれる。 今まで仲の良かった兄弟でも、骨肉の争いとなり延々と裁判を繰り返している例もある。
皆、相続が起こるまでは自分の家族に限ってそんなことは起こらないと思っているのだ。
しかし、いざ蓋を開けてみると、こっちが損だ、あっちが得だとなり、まとまる話もまとまらない場合が多い。とても残念である。

最近のいくつかの相談事例を紹介しよう。
特に多い相談に、親の預金の私的流用がある。
親の介護をしている例であるが、その親が施設や病院に入院し財産管理が出来なくなると、それを任された子供が、自分の思うように親の預金を引き出して、相続後にその事実が発覚して争いになるのである。
これは遠隔地に住んでいる兄弟間に多く、親の面倒を一人に負担させて何一つ面倒見ないことが原因で、「それならそれで、介護も大変なので少しくらい自分のために使っても構わないだろう」という気持ちから、少額の引き出しが、だんだんとエスカレートしていくのである。
2番目に多い例として、子供のいない人の相続で、亡くなった方には配偶者とその亡くなった人の兄弟や甥姪が相続人になる場合である。
その兄弟甥姪は人数が多く、かつ各地に住んでおり、遺産分割協議がなかなか整わないといった例である。
名義変更がいつまでも出来ないと、預金が下せない不都合も出てくるのである。 
また、やっと兄弟甥姪が見つかっても、今まで音信不通であったにもかかわらず遺産分割では法定相続分の権利を主張し配偶者を困らす人もいる。
3番目の事例は、すでに配偶者は亡くなっており、相続人が子供だけの例である。
亡くなった人と長男夫婦が住んでいる自宅があるだけで、預貯金は、介護や入院費でほとんどない場合である。
子供一人なら全てを引き継げるので良いが、他に兄弟がいる場合は、その兄弟の相続財産がなく、自宅を売却せざるを得なくなり、長男は住む場所がなくなってしまった例などがある。
なぜそんなに最近の相続には争いが生じるのか?
それは、戦後の家督相続の廃止から、富の再配分という施策と、法定相続という平等意識の高揚から、権利だけを主張する人が多くなってきたからである。
財産の多寡にかかわらず争いは起きる。従って相続税の納付がなくかつ申告不要な場合でもトラブルは生じるのである。 
予期せぬお金は一銭でも多く欲しいという風潮である。
未然に防ぐためには、被相続人が、誰に何を相続させたいのか、どういうことをして欲しいか「遺言書」に残すことである。
まず、被相続人の財産形成に協力した配偶者は別として、子供や兄弟甥姪は自分で築きあげた財産でないのに、いわば棚ぼたの財産であるのに、少しでも多くという気持ちになるのは今この閉塞感の強い世相が反映しているかもしれない。
親の遺産をあてにしないで、「譲り合いの精神」を醸成することが相続をうまく行うコツになるのではないだろうか。


SBI大学院大学准教授 静間俊和

 
*このレポートは2010年12月24日に配信したものです。

このページのコンテンツは、SBIホールディングス㈱様の協力により、転載いたしております。
ヤフーブックマーク Googleブックマーク はてなブックマーク ツィートする シェアする  ライブドアブックマーク ディスカス

キーワード

 

連記事

 
 
 

新記事

 
 

[PR] クレジットカード比較ランキング

んかぶピックアップ
ネット証券口座比較 ネット証券口座比較
証券口座選びを完全サポート
総合ランキング1位はこちら!
FX比較ランキング FX比較ランキング
みんためスタッフが独自調査で
おすすめのFX会社を紹介!
クレジットカード比較 クレジットカード比較
おすすめのクレジットカードを
ピックアップしてご紹介!
【株式投資初心者ガイド】 ネット証券会社選びお役立ち情報!
投資家に役立つ情報が満載
【株式投資初心者ガイド】
みんかぶマガジン> 全ての記事> その他> ☆ビジネス・レポート第二十八号☆