週間相場展望(2012.8.6~)~今週は中国経済の動向に関心が移るか~

 先週(7月30日~8月3日)の国内株式市場は、内外の情勢を受けて神経質な展開に終始した。その前の週末に、欧州債務問題を巡るユーロ防衛に関して要人から決意表明が発せられた地合いを引き継ぐ中、欧米の注目イベントを見たいといったムードが広がった他、月末要因や為替相場の動き、さらには売られ過ぎの感が強まった個別銘柄などへの押し目買いなど、内外の動向や需給関係に左右されやすい展開となった。ただ、先週は海外イベントの影響が大きかったこともあり、外部環境を意識する神経質な展開を余儀なくされた。
 
 先週の国内株式市場は、その前の週末にECB(欧州中央銀行)のドラギ総裁の、軟化傾向を強めるユーロ防衛に対して決意表明とも取れる発言が流れたことで、翌週(先週)に開催されるECB理事会への期待感が高まった。ここでは、ECBによるスペインなど、重債務国の国債買取り再開の観測が広がった他、政策金利の引き下げなど、追加的な金融緩和も実施されるのではないかといった見方が浮上。さらに、先週は米国ではFOMC(連邦公開市場委員会)が開催されたが、ECB理事会同様、この内容を見極めたいといったムードが強まり、週前半は思惑の交錯する膠着感の強い展開となった。しかしながら、FOMCにおいては米FRB(連邦準備制度理事会)が景気認識を下方修正したものの、政策金利の引き下げなどの追加的金融緩和策の導入を見送ったことで失望感が台頭、FOMC翌日の国内マーケットも警戒感の強い動きを余儀なくされた。なお、ECB理事会ではスペインなどの重債務国の国債買入れ再開の方針が示されたものの、その時期や規模を巡って踏み込んだ内容に言及されなかったことで投資家の失望を誘う格好となった。
 
 また、米国ではFOMCの他、重要な経済指標も数多く発表された。先週は、5月のS&Pケース・シラー住宅価格指数が回復傾向を示した他、カンファレンスボードの7月消費者信頼感指数並びに7月のシカゴ購買部協会景気指数などはやや上向いたものの、7月のISM(サプライチェーン協会)製造業景気指数や6月の製造業受注指数などは低迷するなど、製造業セクターの状況は芳しくなかった。つまり、好悪の指標が交錯したことで、FRBが追加の緩和策を見送った一因とも推察される。明確な景気後退シグナルが出ないことには、景気刺激策は打ち出さないといったところであろう。
 
 一方、先週は中国で発表された7月の製造業PMI(購買担当者景気指数)が50.1と3ヶ月連続で悪化(低下)するなど、同国の製造業を取り巻く環境は厳しさを増している。これを受けて、同国では景気刺激策などに対する期待感が強まったものの、上海株式市場は冴えない展開が続き、連日のように年初来安値を更新するなど、世界のマーケットの中でも独歩安の様相が強まったことは気になる動きである。
 
 なお、国内においては週初に6月の鉱工業生産指数が発表されたが、実績は前月比0.1%減と3ヶ月連続で悪化した。震災復興需要などが高まっている中、足踏み状態を続けていることが確認される格好となったが、これは円高や欧州及び中国の景気減速の影響が及んできたためではないかと推察される。このような中でも自動車産業は比較的好調であり、7月の新車販売台数は前年同月比36.1%増と11ヶ月連続で前年を上回るなど、世界的な景気減速感が強まる中にあって唯一、良好な業種といえそうだ。
 
 そして、先週も国内では4~6月期の決算発表が相次いだ。全体としては、製造業や輸出型企業の決算は下方修正が相次ぐなど、厳しい結果となった一方、情報通信や食品、医薬品などの内需系企業の決算は概ね良好との印象が強く、二極分化の様相が見られるようになった。ただ、輸出型企業の中でも業績の最悪期は脱したのではないかといった企業が見受けられた他、株価が売られ過ぎとされるレベルまで下げた銘柄には押し目買いが入るなど、悪材料出尽くしとも取れる動きも見えはじめている。
 
 これらを受けた国内マーケットは欧米のイベントを控えていたにも関わらず比較的底堅く推移した。しかも、日経平均株価は日足の一目均衡表では雲の下限をサポートラインに下値を切り上げる動きが続くなど、テクニカル的にも底堅さが窺える地合いになってきたようだ。ただ、8月相場に入ったということで市場参加者の減少が意識されており、売買のボリュームは低調に推移している。海外投資家の動きも緩慢であり、足元では投資家不在の状態といっても過言ではない状態にある。また、先週はジャスダックやマザーズなどの新興市場も調整局面入りをうかがわせる動きであり、個人投資家などの短期資金の行方にも不透明感が見え隠れしているような印象が強まりつつある。
 
 この結果、先週の日経平均株価はその前の週に比べて11.53円(0.1%)安と4週連続で下落した。週間の平均売買高は同2.7%減の16億3,639万株、平均売買代金は同1.5%増の9,763億円であった。
 

ヤフーブックマーク Googleブックマーク はてなブックマーク ツィートする シェアする  ライブドアブックマーク ディスカス

キーワード

 

連記事

 
 
 

新記事

 
 

[PR] クレジットカード比較ランキング

んかぶピックアップ
ネット証券口座比較 ネット証券口座比較
証券口座選びを完全サポート
総合ランキング1位はこちら!
FX比較ランキング FX比較ランキング
みんためスタッフが独自調査で
おすすめのFX会社を紹介!
クレジットカード比較 クレジットカード比較
おすすめのクレジットカードを
ピックアップしてご紹介!
【株式投資初心者ガイド】 ネット証券会社選びお役立ち情報!
投資家に役立つ情報が満載
【株式投資初心者ガイド】
みんかぶマガジン> 全ての記事> 市場解説・相場展望> 週間相場展望(2012.8.6~)~今週は中国経済の動向に関心が移るか~