第11回Jリート取材レポート

【Jリート全般について】

7.個人投資家にとってJリートの銘柄選択に役立つ経済指標や参考数値の見方等があれば教えてください。(「このような指標を見てJリートの魅力を分かってもらいたい」「この指標の意味するところは、実はこのようなところにあることを分かってもらいたい」など)

稼働率は全リートが開示しており、運用の好不調を見るには最も分かりやすい指標です。主要ビジネスエリアの稼働率・空室率や平均賃料等の指標は、不動産調査会社(三鬼商事やシービー・リチャードエリスなど)のホームページで月次に発表されていて、マーケットの現状をみるのに適しています。
一般的に、企業から賃料収入を得るオフィス賃貸マーケットは、景気動向に連動して変化し、企業業績に対して半年から1年ほど遅行して変動すると言われています。従って、今後のオフィスマーケットを見通すうえで、GDP予測や主要企業の業績予想などは参考になると思います。
また、各証券会社のリート担当のアナリストが定期的にレポートを書いていますので、これらにもまめに目を通すことも有用だと思います。

8.Jリートの普及が伸び悩んでいる(個人投資家のうちJリートの仕組み等を理解している割合は3年続けて30%程度にとどまっているとの調査結果があります)要因は何だと思いますか?

昨年でJリートが上場して10年目を迎えましたが、やはりほかの金融商品に比べてその歴史が浅く、認知度が低いことが要因だと思います。また、証券会社や銀行の窓口で買える投資信託と異なり、個人投資家が目を通せる、目に留まる資料が少ないことから認知が進みにくいのかもしれません。
投資信託は、受益証券説明書や目論見書を簡単に販売窓口やセールス担当者から入手することが出来ますが、投資口の募集(公募増資)が数年に1回程度の投資法人の場合は、それらの書類がなかなか個人投資家まで届かない状況であり、それが個人投資家の理解を低くしている一つの要因になっていると思います。

9.Jリートの普及を図るためには、どの業界の協力が不可欠ですか?また、その理由(例:証券、銀行、ネット証券、マスコミなど)

直接個人投資家の皆様と向き合う証券会社の方々には、引き続きJリートの魅力をPRしていただければと思いますし、さらなる啓蒙活動には銀行などの金融機関、さらにマスコミなどの幅広い業界間での協力が必要だと思います。

10.不動産証券化全体の市場規模が22兆円といわれる中、現在のJリートの時価総額合計は3.5兆円程度ですが、今後のJリート市場の見通しはいかがですか?(運用資産規模、社数、認知度など)

為替リスクが無く、不動産の賃料を基礎にして安定的に分配できるというJリートの商品特性を考えると、個人投資家の方には魅力的であることから、今後認知が進んで行けば、時価総額も成長していくものと考えています。

【不動産業界について】

11.Jリート(不動産投資信託)ではなく、不動産投資(投資物件、マイホームなど)の魅力とリスクについて教えてください。併せてJリートである場合にその魅力とリスクはどう変化するか、教えてください。

資産形成のポートフォリオに、賃料収入が安定し、インフレヘッジとなる不動産を組み込むことは昔からよく言われるところです。
賃貸不動産を保有する場合は、減価償却や建物部分の借入金利を損金算入できるなどメリットがありますが、一方で、テナント退去時の原状回復工事や建物の定期的な修繕など、物件競争力を維持していくためには管理面で大変手間がかかることも事実です。また、商品としての不動産の流動性は低く、取引には莫大な資金と高度なノウハウが必要となります。
Jリートは、各分野のプロフェッショナルが運営業務を担当するため、そのような煩雑な業務を自ら行う必要がなく、賃貸不動産を保有するのと同程度のリターンを期待出来ることが大きな魅力となっています。また、複数物件を管理するので、ポートフォリオとしてのリスクは分散されています。さらに、Jリートは、上場していることから十分な流動性と情報開示の透明性が保たれていて、個人の方でも投資しやすい商品と思われます。

12.今後の不動産市況の見通しについて

不動産賃貸市況は、金融危機以降の賃料調整も落ち着きをみせつつありますが、賃料が上昇に転じるには至っていません。東日本大震災や欧州での金融危機、円高などさまざまな事象が発生し、賃料反転のタイミングがいつ訪れるかは不透明な状況です。しかしながら、東京都市圏や、一部の地方圏では空室率や募集賃料に改善傾向がみられます。NOFのポートフォリオをみても、解約予告件数が減少傾向にあり、入居面積が退去面積を上回る入居超過を達成し、稼働率は改善しました。日本経済の動向にもよりますが、回復局面が近づいてきていることが窺われます。
大震災後、テナントのオフィス選びの基準には、明らかな変化がみられ、耐震性能や非常用電源の有無など、事業継続計画(いわゆるBCP)の観点が、オフィス選びの重要な要素になってきています。また今後、テナントのオフィス選びについては、質と立地による二極化が進むことが想定されます。NOFは優良な物件を厳選保有し堅実な運営をすることで、厳しい局面では安定的に推移し、回復の際にはマーケット平均を上回るパフォーマンスを実現できるよう備えていきます。

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