第11回Jリート取材レポート

【Jリート全般について】

7.個人投資家にとってJリートの銘柄選択に役立つ経済指標や参考数値の見方等があれば教えてください。(「このような指標を見てJリートの魅力を分かってもらいたい」「この指標の意味するところは、実はこのようなところにあることを分かってもらいたい」など)

リートの主業務は契約に基づく賃貸事業であり収益見込みは確実性が高いものを見積もることができますので、各リートが公表した分配金の予想値をもとに、大きくはずれることなく投資した場合の配当利回りを想定することができます。あとは資産の健全性を調べて問題がないことを確認できた段階で、ほかの金融商品(国債や債券型の投資信託、外貨預金、定期預金など)と投資利回りを比較して、投資判断を決めれば良いかと思います。なお、資産の健全性の判定には資産運用報告(各社WEBサイトなどで閲覧が可能です。)に掲載されている物件ごとの「帳簿価額」と「期末算定価額」(不動産鑑定士による評価額)を比較するのが便利です。ただし、ポートフォリオ全体で評価額が帳簿価額を上回っていても、大幅な評価減(▲50%メド)が発生している個別物件がある場合には、強制的に減損処理が求められる可能性があり(損失が計上されます)、その場合、減損処理相当の利益が減り、分配金に影響しますので注意が必要です。

8.Jリートの普及が伸び悩んでいる(個人投資家のうちJリートの仕組み等を理解している割合は3年続けて30%程度にとどまっているとの調査結果があります)要因は何だと思いますか?

創設来のマーケット推移として、マネーゲーム的な投資口価格の乱高下や金融危機の発生に伴う投資口価格の下落など価格変動が激しかった経緯があります。価格変動が少なく安定的な分配金が期待される新しい金融商品という特性が理解されづらく、投資対象としての位置づけを確立できていないことが要因のひとつにあると思います。投資口価格が低迷している面はありますが、現状の投資利回りは、魅力的な水準にあると思いますので、ここで安定配当の実績を積み上げていくことにより、本来の商品特性をあらためて、ご理解していただくよう努めたいと思います。

9.Jリートの普及を図るためには、どの業界の協力が不可欠ですか?また、その理由(例:証券、銀行、ネット証券、マスコミなど)

現状のJリートの認知度は、十分とは思えませんので、そのアップのためには、関係する業界すべての協力が不可欠で、例えば、マスコミにはリートがとても透明性の高い仕組みであること、証券会社や銀行など、直接に投資相談を受ける窓口となる業界には、金融商品としての特性などをアピールしていただき、個人資産の運用において、ごく身近な金融商品のひとつという位置づけを広く浸透させていただくことを期待します。

10.不動産証券化全体の市場規模が22兆円といわれる中、現在のJリートの時価総額合計は3.5兆円程度ですが、今後のJリート市場の見通しはいかがですか?(運用資産規模、社数、認知度など)

日本のような成熟した個人資産を有する社会にとって、不動産証券化は、そこからの資金をインフラ整備などに効率的に活用する上での有効なスキームであり、今後についてもさまざまな活用が工夫されていくものと考えます。
サブプライム問題を機に、複雑な証券化商品に対する不信が高まった面がありますが、Jリートは投資対象や投資行動の面で透明性が極めて高いのが特徴です。本来、証券化に期待される役割を実行しているセクターとして、あらためて見直され成長していく市場であると考えます。

【不動産業界について】

11.Jリート(不動産投資信託)ではなく、不動産投資(投資物件、マイホームなど)の魅力とリスクについて教えてください。併せてJリートである場合にその魅力とリスクはどう変化するか、教えてください。

不動産の直接投資には、個別物件を発掘する楽しみがあり、良い物件を取得できれば、Jリートへの投資に比べ、高い投資利回りを享受することも可能です。また、節税対策に効果がある場合があります。一方、多額の資金が必要ですから投資物件の数には限界があり、資産価値を維持するための計画的なメンテナンスなど運営コストとテナント募集などの管理負担がかかります。また一般に売却に関しては、一定の時間を要します。
これに対し、Jリートへの投資は少額な資金で可能です。物件発掘に関与することはできませんが、単独では投資が不可能な大型物件に投資することができます。Jリートが投資する物件は一般に複数ですので分散投資の効果があり、ごく一部の共有物件を除き保有物件は重複しませんので、複数のリートに投資することで、より多様性にとんだ分散投資を実現することもできます。物件の維持管理とテナント募集などの手間はかかりませんし、金融商品取引所に上場されていますので資金化が必要な際の売却も容易です。

12.今後の不動産市況の見通しについて

不動産市況は、2008年の金融危機以来、停滞が続き、昨年は東日本大震災、欧州債務危機問題など新たな不安要因が発生していますが、これらの影響も次第に消化されてきており、現状がボトム圏というコンセンサスが形成されつつあるように思われます。今後は回復基調に向かうものと期待します。

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