週間相場展望(2012.1.23~)~内外決算動向に一喜一憂~

 先週(1月16日~1月20日)の国内株式市場は、米国経済指標の好転に加え、ユーロ圏債務問題を巡って市場心理が落ち着きを取り戻したこと、そして為替相場における円高進行の一服などが好感され、日経平均株価は昨年12月の戻り高値を上回るなど、上昇志向の強い展開となった。

 国内株高を誘発した米国の動向であるが、経済指標では1月ニューヨーク連銀製造業景気指数や、1月NAHB(全米住宅建設業者協会)住宅市場指数、及び1月14日終了週の新規失業保険申請件数がそれぞれ大きく改善した他、12月の鉱工業生産並びに1月のフィラデルフィア連銀製造業景気指数なども派手さはないものの安定的に拡大していることが確認されるなど、米国景気の足取りが堅調に推移していることが確認された。これを受けてNYダウが約半年ぶりの高値まで上昇したことで世界的にも投資家心理が落ち着き、我が国のマーケットにも好影響をもたらしたことは否定できないであろう。なお、先週は2011年10~12月期の主要企業の決算が発表されたが、まちまちの中においても大きなネガティブインパクトがなかったことも相場を下支えしたと思われる。

 米国景気の好調に反して、ユーロ圏ではその前の州に米格付け大手のS&P(スタンダード・アンド・プアーズ)がユーロ圏9ヶ国の格付けを引下げたことで週初は激震が走ったものの、これまでの過程において格付けの引下げは織り込まれていたこともあり、影響は一時的なものにとどまった。さらに、1月のドイツZEW景況感指数が急速に改善したこともユーロ圏景気の先行き不安を緩和させる一因になった。そして、先週はイタリアやスペイン、そしてドイツなどで国債の入札が相次いだが、いずれも事前の不安を一掃するように順調に終わったことも投資家心理の後退を食い止めたようだ。

 中国では2011年10~12月期のGDP(国内総生産)や12月の鉱工業生産・小売売上高、2011年の固定資産投資などが発表されたが、いずれも市場予想を上回ったことで中国景気の減速感が後退、世界経済の波乱要因にならなかったことも安心感を誘った模様。

 そして、このような海外情勢の中、特にユーロ圏債務問題を巡ってはIMF(国際通貨基金)が重債務国向け支援のために融資枠を5,000~6,000億ドル拡充させることを検討していると伝えられるなど、危機対策が進みそうなことが好感されて外国為替市場ではユーロを買い戻す動きが加速、対円では約2週間ぶりに1ユーロ=100円台に上昇した。

 米国の経済指標の好転持続に加え、ユーロ圏債務問題が小康状態を保ったこと、そして対ユーロでの円安進行などを受けて先週の日経平均株価は週末にかけて4営業日続伸するとともに、昨年12月7日の高値を上回った。さらに、テクニカル的には5日移動平均線と25日移動平均線がゴールデン・クロスを示現した後、日経平均株価は75日移動平均線を突破。一目均衡表でも雲の上限を抜くなど、上昇相場への勢いの感じられる展開となった。物色的にも、震災復興関連銘柄として電線や建設、橋梁など、内需系中小型材料株が軒並み大幅高するなど、個人投資家の短期資金による踏み上げ相場の様相が強まるなど、回転を効かせた個別銘柄の循環物色といったイメージが広がった週であった。

 ただ、国内マーケットは先週の4営業日続伸で上昇ピッチの速さが気になりだした他、先週金曜日は大きなマドを空けて上伸したことで高値警戒感も台頭するなど、やや一息入れたいといったムードも強まった。

 このような地合いの中、先週の日経平均株価はその前の週と比べて266.34円(3.1%)高と続伸した他、平均売買高は同27.4%増の20億3,897万株、平均売買代金は同14.5%増の1兆526億円と急増した。

 今週(1月23日~1月27日)の国内株式市場は、海外情勢に加え、国内にも目を配らなければならないであろう。まず、国内では今週より2011年4~12月期(第3四半期)の決算発表が本格化する。ピークは2月の第1~2週であるが、序盤戦または出足の傾向を見る上で注目企業の結果に対して株価がどう反応するか、注目したいところである。

 特に、ユーロ圏債務問題やタイの洪水、そして円高長期化などの収益に与える影響、そして予想とのかい離、及び通期見通しの修正状況などを吟味しなければならないであろう。特に、下方修正が相次いだ場合、個別企業にとどまらず関連業界や今後発表を控える銘柄の動きにまで影響が及ぶことから、上昇志向を強めてきた株価の頭を抑える可能性は高いのではないだろうか。

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