第9回Jリート取材レポート

Jリート全般について

7.個人投資家にとってJリートの銘柄選択に役立つ経済指標や参考数値の見方等があれば教えてください。(「このような指標を見てJリートの魅力を分かってもらいたい」「この指標の意味するところは、実はこのようなところにあることを分かってもらいたい」など)

Jリートは情報開示が充実しています。とくに各Jリートのホームページを見ていただくと多くの情報を得ることができます。Jリートの多くは年2回の決算があり、決算説明資料などをその都度作成、開示し、運用状況や今後の方針などについて説明を行っています。説明資料を見ることにより各Jリートの特性やポイントがよく理解できると思います。また、東京証券取引所、不動産証券化協会(ARES)、投資信託協会のホームページでもJリート全般の情報が入手できますのでご活用ください。

8.Jリートの普及が伸び悩んでいる(個人投資家のうちJリートの仕組み等を理解している割合は3年続けて30%程度にとどまっているとの調査結果があります)要因は何だと思いますか?

Jリートの認知度が上がらない要因は、Jリートのしくみを理解してもらうためのPR不足もありますが、それ以上にJリート本来の金融商品としての特性であるミドルリスク・ミドルリターンを確立できなかったことが大きいのではないかと思います。

9.Jリートの普及を図るためには、どの業界の協力が不可欠ですか?また、その理由(例:証券、銀行、ネット証券、マスコミなど)

各Jリートが安定した運用実績を実現していくことが最も重要なことであると考えます。その上で各Jリート、証券会社、東京証券取引所、ARESなどが一体となって、Jリートの普及啓蒙に向け努力することが必要になると思います。

10.不動産証券化全体の市場規模が22兆円といわれる中、現在のJリートの時価総額合計は3.5兆円程度ですが、今後のJリート市場の見通しはいかがですか?(運用資産規模、社数、認知度など)

Jリートはこの10年で物語の起・承・転・結を経験しました。今後の10年に向けて、個人投資家や年金などの投資マネーを呼び込むためには、Jリート本来の金融商品としての特性であるミドルリスク・ミドルリターンを確立していくことが必要となります。さらに、新規Jリートの上場や投資対象となる不動産の多様化も市場規模の拡大には不可欠であると考えます。

不動産業界について

11.Jリート(不動産投資信託)ではなく、不動産投資(投資物件、マイホームなど)の魅力とリスクについて教えてください。併せてJリートである場合にその魅力とリスクはどう変化するか、教えてください。

不動産投資は、賃貸収益としてのインカムゲインや売買収益としてのキャピタルゲイン、インフレヘッジも期待できる一方、投資単位が大きいこと、流動性が低いこと、運用についても専門的な知識が必要であることなど、個人投資家にとっては、比較的リスクが大きいと言われています。Jリートの魅力は、少額からの投資が可能となり、証券取引所を通じて売買ができるため流動性が高くなり、不動産のプロが運用するなど、不動産投資としてリスクの軽減が図れることが挙げられます。加えて、何といっても、Jリートは収益の90%超を分配するなど、一定の条件を満たせば法人税が免除されますので、運用する不動産の収益のほとんどを投資家が分配金として受け取れることが大きな魅力です。

12.今後の不動産市況の見通しについて

日本経済は東日本大震災後、復興に向けた回復基調にありましたが、その後の欧州危機や新興国経済の減速、タイの洪水などによる企業業績への影響など、世界的な景気下振れリスクが高まっており、今後も不透明な状況が続くことが懸念されています。こうした環境下、不動産賃貸市場の回復にはしばらく時間がかかると思われますが、不動産投資の好機であるとも言えますので、取得機会に備えておくことが必要であると考えます。

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