日本は輸出主導型の景気回復になろう。経済構造が外需依存型になっているからだ。中国はこの2、3月に内需振興策の効果が顕在化するので、在庫調整を終えれば、この4~6月期にV字型回復する。
そうなれば、中国向け輸出に引っ張られて日本経済も回復に向かう。中国に近いという地の利から、「先進国」で一番早く回復に向かうだろう。これが唯一の日本の景気回復シナリオだ。日本では経済分析に拠らない中国論が多すぎる。
産業別輸出依存度の日中比較
中国は”外向型“経済という見方が多い。輸出依存度が大きいという訳だ。したがって、米国発世界同時不況による輸出減少の影響で、中国経済は大きく落ち込むという論説である。果たしてそうであろうか。表1は、主要産業の輸出依存度の日中比較である。

中国家電品の輸出比率は日本電機工業会調査の5品目( 台数)を日本平均価格で金額換算して求めた。
出所:日本鉄鋼連盟、日本自動車工業会、電子情報技術産業協会、日本電機工業会、日本化学繊維協会調べ。
日本の輸出依存度の大きさが目立つ。鉄鋼30%、自動車60%、民生用電子産業90%、等々。電子・電気機器は、日本は労働集約的な加工組立段階の競争力を失い、部品の輸出で稼いでいる。冷蔵庫や洗濯機などの白物家電の輸出比率は20%弱で、むしろ輸入のほうが多い。一方、電子部品・デバイスの競争力は圧倒的に強く、民生用電子製品を含めた輸出依存度は90%に達する。
これに対し、中国の鉄鋼生産は5億トン、日本の約5倍も大きいが、輸出依存度は10%で、日本の30%より小さい。自動車の生産台数は935万台で日本に匹敵するが、輸出依存度は1割未満だ。これらの中国産業は内需依存型である。繊維はさすがに中国の比較優位産業(現状)であるだけに、中国の輸出依存度は40%台と高い。また、白物家電も30~40%と高い。日用雑貨品も然りかもしれない。たしかに、産業別に見ると、輸出依存度が高い産業もある。比較優位トップの繊維産業の輸出依存度は42%である。しかし、繊維輸出( 2007年 1,658億ドル)が中国経済に占める比重は、対輸出総額比13.6%、対工業生産比3.1%である。
このように、産業全体から見れば、輸出依存度は小さい。鉄鋼生産は日本の5倍、自動車生産も日本に匹敵するなど、中国も重化学工業化が進んでいる。比較優位の軽工業品など一部の産業では輸出比率が高いが、経済全体に占める比重は小さいから、全体で見れば、輸出比率はそれほど大きくない。産業別に分析する限り、中国経済が特段に”外需依存型“という姿は浮かび上がってこない。日本以上の「外向型経済」という仮説は事実によっては支持されていないのではないか。








