2月決算が多い小売各社。3月末~4月中旬にかけて、その各社の決算発表が続きます。先日のvizlogでもお伝えしたように、カテゴリー毎、個社毎で、月次の数字が大きく違っていた分、決算発表にどうそれが反映されるてくるか、注目して見て行きたいと思います。まずは3月27日に、家具・インテリアチェーンのニトリ(9843)の2008年度通期決算が出てきましたので、発表されたばかりのデータをグラフ化しながら、内容を見て行きたいと思います。
まずは決算数字から。この不況下でも見事に増収増益、これで22期連続の快挙とのことで、グラフ1でそのうち直近の10年分をグラフにしています。特に前期の営業利益 330.9億円(前年同期比+26.8%!)という数字は、元々の会社発表の営業利益予想が292億円であったことを考えると、それを実に 13%も上回る見事な結果です。さらには営業利益率の上昇も顕著で、2008年度の13.5%は、2000年度6.0%の倍以上と、売上成長とマージン改善を継続的に両立させている、稀有な企業とも言えそうです。
次にグラフ2、3(グラフ右下のボタンをクリック!)を見ながら、既存店の実績を確認してみます。初めにグラフ2で、ニトリ(9843)の既存店売上高について、小売業界の中でも同じく業績好調なファーストリテイリング(9983)の数字と比較してみました。ここ数ヶ月こそ、ファーストリテイリングの好調が目立ちますが、より長いスパンで見ると、上下の変動の激しいファーストリテイリングに対して、ニトリは比較的安定的に前年同月比プラスの実績を上げ続けています。気温や天候、流行廃りの影響を受けやすいアパレル業界の特性が影響している面もあるかも知れませんが、それ以上に、ニトリの商品戦略、価格戦略が功を奏して、この安定的な実績に繋がっているのかもしれません。グラフ3で、ニトリの既存店売上高を客数と客単価に分解して見てみると、時期によってその構成を変えながら、既存店売上高全体の好調を維持してきていることが分かります。しかも、店舗数をこの5年で倍にする中で、これに成功し続けてきたのですから、その強さは本物でしょう。
さて、上述の営業利益率の向上と、既存店売上高の安定的好調維持の一番の要因が、ニトリ(9843)の大きな特色であるSPAモデルです。これは企画から小売に至る全サプライチェーンを自社で手掛けるモデルで、アパレル業界ではお馴染みのこのモデルが、家具・インテリアチェーンであるニトリの好調を支えているのです(→詳しくはこちらのvizlog記事へ)。
最後に、ニトリの黄金期到来を予感させるデータを、グラフ4でご覧下さい。ニトリ(9843)の営業キャッシュフローと投資キャッシュフローを比較すると、ここにきてキャッシュフロー収支が黒字に転換していることが分かります。グラフ3のような継続的な出店を続けながらも、その出店コストを大きく上回るキャッシュを既存店から生み出すことが出来る好循環を、まさに前期に実現したのです。成長と投資回収の同時実現が可能な、まさにニトリの黄金期に入った証拠なのかも知れません。景気は先が見えない状況が続きますが、その中でも自らのビジネスモデルと商品・価格戦略で実績を上げられる企業、そんな企業の一つとして、今後も注目したいと思います。
今後は、4月9日にファミリーマート(8028)とファーストリテイリング(9983)(ファーストリテイリングは中間期決算)、10日に三越、13日にローソン、14日にJフロント等等、小売企業の決算発表が続きます。またアップデートして行きたいと思っておりますので、弊社vizlogに引き続きご注目ください!
(このグラフと記事は、マネックス・ユニバーシティ『マネー情報』向けに、作成、ご提供させていただいております。)
Data source: ニトリHP(http://www.nitori.co.jp/ir/index.html)、ファーストリテイリングHP(http://www.fastretailing.com/jp/ir/monthly/)
*vizoo*
このページのコンテンツは、データ可視化サービスvizooを展開する、株式会社フィルモア・アドバイザリーの協力により、掲載いたしております。
上記Flashチャートをブログなどに貼り付けたい方は、下記のタグを貼り付けてご利用ください。








