徐々にリスク回避の色合いが薄れている世界市場

徐々にリスク回避の色合いが薄れている世界市場
~そのなかでやや出遅れる日本株は?~

 これまで悲観筋が、ギリシャの財政危機が世界を不況に陥れる、次は中国経済が失速する、今度は米国の景気が後退へ向かう、と騒ぎ続けてきたが、徐々に悲観論の行き詰まりを見せてきているように思える。足元生じている変化を、整理してみたい。

1.リスク回避の度合いが薄れ、落ち着き始めている金融・証券・国際商品市場

 世界の諸市場をぐるっと見渡せば、一時期のリスク回避的な動きがだいぶ落ち着いてきているようだ。

 信用不安の解消という点では、銀行間金利(米ドルLIBOR)は米国債利回りとのかい離を縮めてきており(図1)、金融機関間の資金繰りに対する見方が改善していると言える。米国企業の社債利回りと米国債利回りの差もようやく縮小の動きを見せ始めた(図2)。このところの市場の動揺の震源であった南欧諸国の国債利回りとドイツ国債利回りの差も、ギリシャはめだった改善はみられないものの悪化にも歯止めがかかった感があり、スペインはドイツとの差を縮め始めた(図3)。

 他市場をみると、米国株式市場の波乱の度合いを示すと言われるVIX指数(S&P500株式指数の変動率を取引するもの)は低下しており(図4)、投資家が今後の米国株式市場はこれまでより落ち着いて推移すると考えていることを示している。

 国際商品市場では、リスク回避の度合いが強まった際に避難先として資金が向かいやすい金の価格と、様々な製品に用いられるため景気敏感の代表として考えられる銅の価格を比べてみると、銅価格÷金価格の比率は底打ち上昇に向かい始めており(図5)、世界景気に対する行き過ぎた悲観が薄らぐ(銅価格の上昇要因)一方、リスク回避的な投資態度が後退している(金価格の下落要因)ことがわかる。

(図1)
LIBORと米国国債利回りの最近の格差(3か月物)

(図2)
米国社債ー国債利回り格差(10年物)

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