上海万博② 大盛況と禁止令

上海万博② 大盛況と禁止令

大盛況ぶり

 6月28日、史上最多の6,422万人が入場した1970年の大阪万博よりも12日速いペースの59日間で、上海万博の来場者数は2千万人の大台を突破しました。開催期間内(10月31日まで)に目標の7千万人をクリアし、「史上最大の万博」となる可能性が高まっています。

 来場者数の急増とともに、混雑度も一気に高まってきました。最も多額の建設費をかけたパビリオン、サウジアラビア館では約10時間待ちという驚異的な人気ぶりを見せています。そして、スイス館や日本館なども大変人気で、平日でも3時間待ちの状態が続いています。

 日本からは日本館以外、日本産業館、ベストシティ実践区大阪ケースを出展しています。これらのアピールポイントはもちろん、「技術力」です。日本館ではバイオリンを演奏するロボットが展示されたり、日本産業館では「世界一トイレ」が設置されたり、日本の最先端技術が多くの中国人来館者を魅了しています。また、接客スタッフの礼儀正しさも他国のパビリオンに差をつけています。

 一方、中国館の人気も海外のパビリオンに負けていません。その中国館の中の最大の見所は動く「清明上河図」です。現代技術と中国伝統文化をうまく融合させ、世界に今の中国を発信しています。
日本館で展示されているロボット 中国館の動く「清明上河図」

*動く「清明上河図」とは北宋の画家・張択端の名作「清明上河図」の巨大で動態的な電子版作品のことです。
高さ6.3メートル、長さ130メートルで、オリジナル作品の約30倍の大きさです。
日本館 中国館

禁止令

 上海万博に向けて、地元市民の国際意識を高める啓蒙活動の一環として、上海市政府は「パジャマ外出禁止令」や「屋外の物干し禁止計画」などを発表しました。上海では団地の敷地内や近所の市場、スーパー、商店などへパジャマを着たままで出かける風景は日常的であり、便利さ・合理性・気軽さ・気安さを優先する現実主義の上海人の姿がこの習慣に現れています。中には外出用の「見せパジャマ」も流行っているぐらい、パジャマ文化が浸透しています。また、未だに屋内に洗濯物を干せるほどの生活スペースが確保されていない市民がたくさんいます。屋外の物干しが禁止されても、マナーを守らないというより、どうしても守れないというのが現状のようです。政府の禁止令により、上海市民の日常生活が混乱させられているとも言えます。

 一方で、万博の開催のおかげで、生活環境が大幅に改善された市民もいます。元々、万博会場の敷地に住んでいた住民には政府から新築マンションが付与されています。万博のために犠牲となった従来の家の代わりに、数倍の広さに匹敵する高級マンションやその周辺の一流の生活環境(学校、病院、スーパー)など、一般家庭ではなかなか手が届かないような生活が与えられています。政府のこのような政策が今回の万博のテーマ「より良い都市、より良い生活」を実現するための具体策だと思われます。

上海の下町の一角 万博会場から見た上海

(編集後記)上海政府は1家庭あたり160元相当(約2200円)の上海万博入場券を無料配布しています。
しかし、政府の好意が逆に多くの上海市民の反感を招いているようです。市民たちは「3人家族で1枚しかもらえないなんて、家族喧嘩になるよ。」と不満をこぼしているそうです。

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