短期暗雲も、中長期的期待は変わらず

長期成長の礎が築かれる

1981年の米国景気2番底が1980年代の大幅な株高の起点となり、1991年からのジョブレスリカバリーが1990年代の米国繁栄の基礎を固めたように、今回の足元の停滞が続けば続くほど、より長期繁栄の礎を築くものとになるだろう。なぜなら経済のエンジン米国企業部門は、かつてなくスリムであり活力があるからである。労働生産性の上昇が続き労働分配率は過去最低であり、空前の資金余剰が続いている。グローバリゼーションとインターネット革命の恩恵が経済と市場を支え続けていることを、忘れるべきではあるまい。

保険業法改正のインパクト

「マイナスのバブル」と言えば、日本株式ほど割安な金融資産はあるまい。上場株式の平均予想配当率は2%と長期国債利回りの2倍近い水準。配当性向がほぼ30%なので株主の総リターンは国債投資家のそれの6倍と言うことである。それほどの極端な日本株の割安化は日本人が株を全く買わなくなったために起きた。そしてその背景には、保険の運用規制があった。しかし先週末の日経新聞は、国内株3割、外国資産3割、不動産2割として上限を定めていた保険業法が改正され、運用上限が撤廃されると伝えている。図表1に見るごとく日米投資家の株式組み入れ格差が日本株「マイナスのバブル」の原因だとすれば、その是正は日本株バリュエーションに、劇的変化をもたらす可能性がある。

図表2:日本の配当利回りと社債利回り推移 図表3:米国の配当・バイバック利回り(配当率+自社株買い対時価総額比率)と社債利回り推移

図表4:日本株のリスクプレミアム 図表5:米国株のリスクプレミアム

武者リサーチ
株式会社 武者リサーチ(代表 武者陵司)
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