賢者のミスディレクション(2) 自分哲学を確立する時期

「ミスディレクション」とは、「誤った方向に導くこと」であるが、「人の判断力を間違ったほうにそらせる手法」「判断を誤らせる手法」とおさえたい。
人の心理をあざむくもので、本筋から人の目をそらせたり、真相から遠ざけることである。
つぎの有名な一文も、真相から遠ざけるミスディレクションであると、私はつよく思っている。

「天は人の上に人を作らず人の下に人を作らず」

福沢諭吉が説いたあまりに有名な一文、「おしえ」ととらえられている。
多くの人は、この「おしえ」の意味を、「人は平等だ」と思いこんでいるはずだ。
けれども、これは「賢者のミスディレクション」の1つである。

「天は人の上に人を作らず人の下に人を作らずと云えり」が本来の形。

「云えり」というからには、どこからかの引用だろうと推測しないといけない。
全文をのせると長いので割愛するが、要約すれば、このようになる。
「天は人の上に人をつくらず、人の下に人をつくらずと言われているが、しかし、賢い人、そうでない人など差がある。なぜか。その違いは、学ぶか学ばざるかである。だから、学問を学ぼう。」

つまり、学問の有無が人生に与える影響をといており、「学問のすすめ」というタイトルそのものなのである。
下の句、「本当にイイタイコト」をぼやけさせることで、本質を究明する熱意、あるいは、センスのある者のみに、伝えようとする賢者の意図を読み解きたい。

相場格言はたくさんあるが、知っていることと、実際に活用、実践していることは、大違いである。
先人の教えをミスディレクションに陥いることなく、正確に理解し、相場で負けない強固な自分哲学を確立する時期が来たのではないだろうか。

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