投資妙味に尽きる身近な小売業
我々の身近にある百貨店やスーパーは、株式投資に余り馴染みのない方が投資判断を比較的くだしやすい企業群といえます。単純に「有名だから」とか「近くにありよく利用するから」などといった理由で株式を購入するのも一つの手ですが、もう少し企業の実態に踏み込んで投資判断を行うのも意味があると思われます。毎日の生活を行うために頻繁に行く小売店ですから、そこでじっくりと売場、おかれた商品、従業員の動きなどを観察し、その上で株式の売買を考えるのは、株式投資の醍醐味の一つです。
企業分析では、各企業のホームページにあるIR情報やEDINET(電子開示システム)を利用すると詳細な分析が可能となります。本シリーズでは、企業分析に造詣の深い方にも価値を見いだしていただけるように、有価証券報告書を利用した企業評価の方法を説明します。そこまでの分析は必要ないという方にも、財務諸表のいくつかの重要項目を押さえることで、企業評価の基礎が理解いただけるようにしたいと考えています。
財務諸表の分析は、その企業の過去の記録の分析です。その分析に付加的な価値を加え、今後の姿をより正確に予測するためには、冒頭にも書きましたが皆さんがそれぞれの企業のお店に行き、種々の情報を獲得することが重要です。なお、コンビニは、商社的な機能を担っているので、これから説明する分析方法がそのまま適応できません。ただ小売業を分析するに当たって、必要な視点は変わらないので、参考にしていただいても良いかと思います。
本シリーズで解ること
本シリーズでは、小売業の企業分析方法について、7回に分けて説明する予定です。最初は、売上高、売上の伸び率(増収率)などの意味とその計り方について記述します。続いて、企業分析の基礎となるROE(自己資本利益率)について簡単に説明します。その後は、ROEを分解して、売上高利益率の分析、資産回転率の分析、財務体質の分析をそれぞれ数回にわたって記していきます。最後に、最近の経営統合などの動きが何を意味しているかを考えます。
なお、小売業としての分析に必要な数値は、単独決算の財務数字の方により多く表示されています。と言うことで、まずは単独(親会社の)決算分析から開始しましょう。








